カッツ
2026/01/06 08:25
新 花へんろ ~風の昭和日記~
前作から10年が経ち、ナレーションを務めていた渥美清が亡くなったため、本作では小沢昭一が語りを引き継いでいる。また、沢村貞子もすでに他界しており、ドラマの中でも死亡したことになっている。新たに夫が伊武雅刀になり、義兄が橋爪功となり、物語に新しい風が吹き込まれている。
戦後まもなく、四国・松山近くの遍路道沿いにある富屋勧商場の大黒柱・ウメが亡くなる。遺言には、富屋の分家である大正座を静子に任せると記されていた。戦争中は何一つ楽しいことがなかったからこそ、町の人々に娯楽を届けたい――静子はそんな思いを胸に、大正座で次々と新しい試みに挑戦していく。
第一章から第四章まで歳月が流れ桃井かおりがどう変わっていくかを見るのも楽しみであった。彼女の代表作と言っていいと思う。
シリーズ最終章となる本作では、敗戦に打ちひしがれながらも、新しい時代の流れに翻弄されつつ前を向いて生きようとする人々の姿が丁寧に描かれている。四国の風景と昭和の空気が重なり合い、静かでありながら力強い余韻を残す作品だった。
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