ストーリー

k.a
2026/01/24 00:21

シェイプ・オブ・ウォーター

『シェイプ・オブ・ウォーター』は、私にとってギレルモ・デル・トロ監督の最高傑作の一つで、静かで美しいのに心を強く揺さぶる、唯一無二のラブストーリーです。2017年の映画で、アカデミー作品賞・監督賞を受賞したのも納得の完成度。1960年代の冷戦期アメリカ、言葉を話せない清掃員の女性エライザ(サリー・ホーキンス)が、政府の極秘施設で出会った「水の生き物」(ダグ・ジョーンズ)と恋に落ちる話なんですよね。

まず心に残るのは、エライザと生き物の関係が「言葉のない純粋な愛」として描かれているところ。エライザは生まれつき喋れないけど、手話と表情、音楽(彼女の大好きな映画音楽)で感情を爆発させる姿が、もう切なくて美しい。生き物もただの怪物じゃなくて、優しくて知性的で、エライザの孤独を優しく包み込んでくれる。卵を食べさせ合ったり、水槽の中で手を繋いだり、浴室で一緒にいるシーンは、言葉を超えた絆が画面から溢れ出ていて、観てるだけで胸が熱くなるんです。デル・トロ監督のクリーチャー愛が全開で、生き物のデザインもグロテスクじゃなく、むしろ神々しくてロマンチック。

ストーリーはファンタジーと現実の残酷さが交錯してて、冷徹な軍人(マイケル・シャノン)の残虐さや、エライザの親友ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)の温かさ、隣人のゲイの画家ジル(リチャード・ジェンキンス)の優しさが、すべてが絶妙に絡み合ってる。1960年代の差別や抑圧が背景にありながら、決して重くなりすぎず、希望とユーモアを失わないバランスが天才的。ラストの「水の中への帰還」は、涙なしには観られない。エライザが「愛する人を救う」ためにすべてを賭ける姿が、静かに、でも力強く胸を打つんですよね。

音楽も最高で、アレクサンドル・デスプラのスコアと、クラシックな映画音楽が流れるたびに、まるで古いハリウッド映画の中にいるみたい。色彩もデル・トロらしい深みのある緑と青が美しくて、視覚的にも心を奪われる。

 

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