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京介 バッジ画像
2025/12/17 18:55

マークスマン

マークスマン

 2021年 アメリカ 劇場公開:2022年1月7日

スタッフ 監督:ロバート・ローレンツ 脚本:ロバート・ロレンツ、クリス・チャールズ、ダニー

     ・クラビッツ 製作:タイ・ダンカン、マーク・ウィリアムズ、ウォーレン・ゴズ、エリ

     ック・ゴールド、ロバート・ロレンツ 製作総指揮:マーク・D・カッチャー、ジェーム

     ズ・マシェッロ、マシュー・シダリ、ニコラス・シャルティエ、ジョナサン・デクター

     撮影:マーク・パッテン 編集:ルイス・カルバリャール 音楽:ショーン・キャラリー

キャスト リーアム・ニーソン、キャサリン・ウィニック、テレサ・ルイズ、ファン・バブロ・ラバ

     、ジェイコブ・ペレス、レリア・サイミントン、ディラン・ケニン、 ルース・レインズ

元海兵隊員のジム・ハンソン(リーアム・ニーソン)は、アリゾナ州のメキシコ国境沿いで牧場を営んでいた。愛妻が病死し、高額の医療費で牧場も手放さざるを得なくなるジム。金策に走り回るある日、ジムは不法に国境を超える11才のメキシコ人少年ミゲルと、母親のローサに出会った。見逃してくれたら大金を渡すと頼むローサ。だが、ローサは追って来たマウリシロの一味に撃たれてしまった。応戦し、マウリシロの弟を射殺するジム。ローサはジムに、シカゴに住む親戚の家までミゲルを送って欲しいと言い残し、息を引き取った。ジムの車に残っていたローサのバッグには、大金が詰まっていた。それは、ローサの兄がメキシコの麻薬カルテルから奪ったものだった。カルテルはローサの兄を無残に殺し、配下のマウリシロにローサ母子を追わせていたのだ。ミゲルがメキシコに強制送還されたら、報復と見せしめでカルテルに殺される。ジムは、金のことは誰にも言わずに、自分一人でミゲルをシカゴまで送り届けると決め、おんぼろトラックで出発した。

本作は、マークスマン(射撃の名手)というタイトルですが、もともと『The Minuteman』というタイトルでした。射撃の名手と題していますが、狙撃シーンはそんなに多くないんです。でも、数少ないその狙撃シーンは、まさに一発必中の見事さです。でも、この映画の見所はそこじゃないんです。妻を亡くし生きる希望を失っていた孤独な老兵ジムと、母親を失い復讐心に燃える少年ミゲルが、苦難の旅を通じて心を深く通わせていく「ロードムービー」としての側面がとても魅力的でした。最初は反発し合っていた二人が、ジャクソンの死という共通の悲しみを経験し、カルテルのお金を燃やすという共同作業を通じて、まるで本当の祖父と孫のように絆を深めていく過程は、じんわりと心温まるものがありました。そして、この作品は、クリント・イーストウッド監督作品を思わせるような、渋くて、どこか哀愁漂う雰囲気が全編に流れているんです。特に、ジムがミゲルに「復讐は何も良いものを生まない」と諭すシーンや、最後のマウリシオとの対決で「自分の道は自分で選べ」と語りかけるシーンは、人間の本質や選択の重さを考えさせられます。この映画は派手さはないけれど、リーアム・ニーソンが演じる「人間らしい弱さと強さ」を持った主人公の姿に感情移入できる、心に響く作品でした。「人生って、辛いことも多いけど、それでも誰かを守ることで、最後に安らぎを見つけられるのかもしれないな」そんなことを思わせてくれる、静かで奥深い一作です。

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