なかなかの3時間超に耐久できるか?・ブルータリスト
「ブルータリスト」を見てきました。
3時間超えの大作で、先日に同じく3時間超の「ドクトルジバゴ」で慣らしていらので
チャレンジしました。
しかし、ところどころ寝落ちしてしまいました‥‥
VIstaVIsion
70ミリ3時間映画のフォーマットはオープニング前に序曲があり、
途中、インターミッション(entr'acte~間奏曲)をはさんで、
最後に終曲があります。
本作品ではこのフォーマットが採用されています。
それが終わって、オープニングに~
さらにオープニングクレジットにこのクラシックなスクリーンサイズのトレードマークが登場します。
これでビスタサイズの映画があった頃の1950年代、
これで観客をそのモードにもっていく仕掛けかな?
ブタベストからナチスの収容所から脱出してニューヨークにやってきたハンガリー系ユダヤ人の建築家ラースロー・トートの波瀾万丈の人生、30年間を描いています。
主人公を演じるのはエイドリアン・ブロディです。
ブルータリスト・剝き出しの人生
タイトルはコンクリの打ちっ放しなど外観装飾をほどこさない建築家のことを指すそうです。
安藤忠雄みたいなもの?
前半はアメリカに来て、家具のデザインや内装工事を手掛け、あんまりさえない不幸な人生が描かれます。そしてガイ・ピアース扮する実業家をパトロンとして建築を手がけていきます。
自分の設計通りにことが進まず、ひたすら周囲と対立する描写が続きます。
後半に離れ離れになっていた妻と姪がやって来て、家族との再会となるものの、家庭円満とはならず、そのホロコーストの傷跡をそれぞれ背負いながら時は流れていきます。
狂気ONLY
主人公ラースローの手掛ける建築物の形がみえてきません。
完成物もでてこない。
建築現場での対立、家族との不和、そしてパトロンであるガイ・ピアースとの×××…
構成は2部とエピローグ
というコンポジションになって、最後のエピローグでラースロ―の作品が紹介されます。
ほとんどが完成せず、構想段階のパースなのか?
この人物は架空です。ときおりインサートされる記録映像や流行歌など、
本当に存在してたかのように錯覚をさせます。
結果を描かず、そのプロセスにある葛藤のみで3時間超で演出されています。
決して退屈ではありません。カメラワークも優れており、
音楽も不思議な室内楽演奏で、心に突き刺す劇伴になっています。
ただ、エンディングに流れる主題歌はなんじゃこりゃ~でしたが。
タイトルが雑誌のようなスタイリッシュなものになっています。
この3時間超にチャレンジしてみたらどうでしょ~