秋に観たいオススメ 「恋人たちの予感」
「恋人たちの予感」(1989年・アメリカ、カラー、129分)
監督:ロブ・ライナー
ある男女の1977年から11年間に及ぶ気の長い恋の成就を、コミカルに描いたロマンティック・コメディ。
ニューヨーク・セントラルパークの燃えるような紅葉が美しい。
シカゴの大学を卒業したばかりのハリー・バーンズ(ビリー・クリスタル)とサリー・オルブライト(メグ・ライアン)は、就職先のニューヨークへ向けて車を走らせている。道中、2人は考え方の違いから意見対立してしまう。 ‘性的交渉のあった男女が、プラトニックな友達になれるかどうか’ ということについてだ。ハリーはセックスが邪魔をして男女は友達になれないと考え、サリーはそれに反論する。結局、わだかまりを残したまま2人は別れるが、5年後、2人はニューヨークで偶然再会、それぞれに恋人が出来ていた。近々結婚する予定のハリーは、 ‘お互いに恋人のいる今なら友達になれる’ と言うが、サリーはその誘いを断るのだった。更に5年の年月を経た時、友情で結ばれている2人は、セックスで関係の壊れることを恐れ、互いの気持ちに素直になれないでいるのだが....。
本編のなかで、ハリーは ‘今までベッド・インした女性を満足させなかったことがない’ と言う。
ところがサリーは、 ‘感じているふりなんか簡単よ’ と、満員のレストランで喘いでみせる。
(実際は、サリーは結婚に焦り気味)
この映画最大の収穫は「ロマンティック・コメディの女王」の名を確立させたメグ・ライアンに他ならない。
本編中、時の流れごとに異なるヘア・スタイルで登場、ブロンドの髪にブルーの瞳、そして愛嬌のある表情は、やや生意気そうにみえるが憎めない。すべてが自然体であることも、男性ファンのみならず、同姓には厳しい女性の支持を受けている所以だ。
本作出演時の彼女は27歳であったが、以降、数多くの名作に出演、現在は62歳。
近作に「トップガン マーヴェリック」(2022年)がある。
一方、ビリー・クリスタルはTV出身のコメディアンという印象が強かったが、本作で等身大の男性像が共感を呼び、以降、アカデミー賞の司会者を9回担当している。
観客の笑いをとるユーモアとウィットに富んだ俳優のひとりである。
本作監督ロブ・ライナーと、女性監督ペニー・マーシャルは、11年間の結婚生活を共にしている。
2人の私生活上の関係がもとになっていると言われており、「アニー・ホール」(77年)に影響を受けたこともロブ・ライナー監督自身が認めているという。
脚本は ‘ロマンティック・コメディの名手’ と讃えられたノーラ・エフロン。
彼女の作品に「シルクウッド」(83年)、「心みだれて」(86年)、「めぐり逢えたら」(93年)などがある。
当時22歳のエンターテイナー、ハリー・コニック・ジュニアの美声も効果的。
全編を彩る心地よいスイングの調べは、フランク・シナトラを思わせる。
「友だち以上恋人未満」...果たしてこれは死語となったのだろうか。
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投稿を表示洋画さん!
私も秋に観たい映画の中にこの映画を題材にしようかと模索したのですが
以前に別のテーマで本作は書いたので、やめました。
大好きな映画です。やっぱり秋に見たくなる作品ですよね。
サリーのレストランでのあのシーン、大好きです(笑)
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投稿を表示サリーが「私 もうすぐ40歳になっちゃうのーー」と大泣きするシーンが好きです。はい。