DISCASレビュー

カッツ
2025/11/27 07:31

愛の嵐

1974年公開、ダーク・ボガードとシャーロット・ランプリング主演、戦後のウィーンを舞台に、ナチスの記憶と倒錯的な愛を描いた衝撃的なドラマである。

特に印象に残っているのは、シャーロット・ランプリングが半裸でナチスの制服を身にまとい、歌い踊るシーン。その倒錯的な演出は、ナチスの退廃的な空気を象徴するようで、観る者に強烈な印象を与える。性的な支配と服従、加害者と被害者の関係が曖昧に交錯する描写は、倫理的な不安を呼び起こす

映画全体を通して、ナチスの残虐性だけでなく、その影が戦後の人々の心にいかに深く残っているかが描かれている。当時は、ナチスの残党が発見されたというニュースもまだ耳にすることがあり、この作品が描く“過去の亡霊”は、決して遠いものではなかった

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