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2025/12/19 18:59

巨大アメーバの惑星

巨大アメーバの惑星

 1959年 アメリカ

スタッフ 監督・脚本:イブ・メルキオー 製作・脚本:シドニー・ピンク 製作:ノーマン・モー

     ラー 撮影:スタンリー・コルテス 音楽:ポール・ダンラップ

キャスト ノラ・ヘイデン、ジャック・クルーシャン、レス・トリメイン、ジェラルド・モーア、ポー

     ル・ハーン、ジム・ウィルソン、トム・デイリー ほか

1959年、アメリカは火星探査ロケット「MR-1」を打ち上げ、四人の乗組員を火星へと送り込む。乗組員は、任務の指揮を執るトム・オバニオン大佐(ジャック・クルーシャン)、医師のアイリス・ライアン博士(ノラ・ヘイデン)、教授のセオドア・ゲッテル(レス・トリメイン)、そしてエンジニアのサム・ジャクソン(ジェラルド・モーア)であった。未知の惑星に降り立った彼らを待ち受けていたのは、想像を絶する光景だった。赤い光に覆われた大地、そして常識を超えた異形の生命体たち。巨大な食虫植物が触手を伸ばし、コウモリとネズミを掛け合わせたような怪物が襲いかかる。さらには、クモとカニを合成したような巨獣が、彼らに決定的な脅威を与える。仲間を次々と失いながら、隊員たちは必死の脱出を試みる。ようやく地球への帰還に成功するが、その代償はあまりに大きかった。火星探査の危険性を知った人類は、この未知の惑星が容易に踏み込むべき場所ではないことを悟るのだった。火星の真実は封印され、残されたのは「赤き惑星の怒り」という不気味な記録であった。

火星探検を描く50年代B級SF映画の異色作!独自の映像処理「シネマジック」で描かれる赤い惑星の恐怖。1959年公開の「怒れる赤い惑星(原題)」は、低予算ながらも斬新な映像技法と奇抜なモンスター造形で、今なおSFファンに語り継がれる作品であります。特に「シネマジック」と呼ばれる処理により、火星のシーン全体が赤みを帯び、独特の異世界感を演出している点が印象的です。宇宙探査の黎明期を背景に、科学者たちが未知の火星に挑む姿を描きながらも、そこに待ち受ける不気味な生命体や謎めいた現象が恐怖を呼び起こす。50年代ならではのSF的ロマンとホラー的要素の融合が見どころです。怪物デザインも注目で、巨大なコウモリネズミや触手を持つ植物、クモとカニを組み合わせたような怪獣など、奇抜で印象的なビジュアルが次々と登場する。低予算映画の制約を逆手に取った創造性が本作の魅力の一つです。本作は単なるモンスター映画ではなく、人類の傲慢さや未知の領域に挑むリスクについても示唆しており、50年代アメリカの冷戦下における時代性も色濃く反映されています。そのため、今日観ても文化史的に価値の高い一本といえます。

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