k.a
2025/07/08 07:50
ため息つかせて / サントラ 洋画オリジナル
「ため息つかせて」(原題:Stealing Beauty、1996年)のサウンドトラックは、ベルナルド・ベルトルッチ監督のロマンティックな青春ドラマを彩るエモーショナルで詩的なアルバム。イタリアのトスカーナを舞台にした映画の雰囲気を反映し、ビル・ウィザーズの「Ain't No Sunshine」やポーティスヘッドの「Glory Box」など、ソウル、ジャズ、トリップホップが織り交ざる選曲が特徴。リズ・フレイザーの「Alice」は幻想的で切ないメロディがルーシー(リヴ・タイラー)の内面的な旅を表現。ジョン・リー・フッカーのブルースやクラシックの要素も、物語の情熱とノスタルジーを増幅。リチャード・ハートリーのオリジナルスコアは控えめながら、田園風景と恋の揺れ動く心情を繊細に支える。全体として、90年代のオルタナティブな感性と映画の官能的な美しさが融合したサウンドトラックだが、単体では曲の統一感がやや薄い印象も。映画の情感を音で感じる一枚。
コメントする