超絶イマサラ2023年ベスト30
どうも。
ひと頃のいきなり!ステーキ並の勢いがある
いきなり!シネマニスト
のじょ〜い小川です。
この「 オススメ教えて!」のカテゴリーを見てふと気がついてしまいました。
「12月期待の映画」の所は今年の“ 12月公開映画”でなんとか切り抜けられそうだし、
「クリスマス映画」も同様。
「2024年アカデミー賞」もあれに関連した映画がレビューをすればいいだろうし、色々と切り抜けられる。
しかし、
「2023年ベスト3」は日が経てば立つほどイマサラ感が強くなる。
ならば……ということで、年始に媒体向けに書いた「ベストテン+a」(ベスト30)を投稿します。
1位:『イニシェリン島の精霊』
2位:『レッド・ロケット』
3位:『TAR/ター』
4位:『バビロン』
5位:『To Leslie トゥ・レスリー』
6位:『Pearl パール』
7位:『理想郷』
8位:『サンクスギビング』
9位:『枯れ葉』
10位:『ベネデッタ』
■総評:2023年も最後の最後で順位をいじったが、1位から5位は上半期と同じ。これが2023年の最大の特徴かな。6位の『Pearl パール』をもう少し上の順位にしようか迷ったけど、1位の『イニシェリン島の精霊』は完全に圧倒的だったし、3位の『TAR/ター』のケイト・ブランシェットと5位の『To Leslie トゥ・レスリー』のアンドレア・ライズボローの凄まじさの印象が強いし、2位の『レッド・ロケット』のボンクラ感は飛び抜け過ぎて順位を下げられなかったし、4位の『バビロン』も勢いとインパクトが凄かった。つまり、この1位から5位までが過去に覚えがないぐらい鉄壁というか、崩しようがなかった。
2023年は新作映画を273本見ながらも、非常に特徴的なベストテンになった。ちなみに、ベストテン以下はこんな感じ。
11位:『母の聖戦』
12位:『バービー』
13位:『逆転のトライアングル』
14位:『トリとロキタ』
15位:『キリエのうた』
16位:『テリファー 終わらない惨劇』
17位:『FALL/フォール』
18位:『ソフト/クワイエット』
19位:『首』
20位:『エンドロールのつづき』
21位:『The Son/息子』
22位:『エゴイスト』
23位:『ドリーム・ホース』
24位:『マエストロ:その音楽と愛と』
25位:『私がやりました』
26位:『雑魚どもよ、大志を抱け!』
27位:『シャドウプレイ【完全版】』
28位:『愛にイナズマ』
29位:『月』
30位:『帰れない山』
次点:『ヴィレッジ』
という感じで、2022年までとの最大の違いは
MCUやDCEUのアメコミ映画、ハリウッド大作が全くランクイン出来なかったことであろう。
それどころか、
純粋なアクション映画自体ランクインしてない。
こうしたランキングって結局は個人の趣味趣向によるところが大きく影響するが、それでも2022年で言えば『シン・ウルトラマン』、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、『トップガン マーヴェリック』といったアクション大作があってランクインさせることが出来たが、2023年は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』しかなく、その次が『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』ぐらいしかなく、これではレビュー時の評価は良くても年間ランキングを考えると厳しい。
こうした大作映画の傑作がないとなると、自分の趣味趣向、精神性を反映した作品が上の方の順位に来る。1位の『イニシェリン島の精霊』のコリン・ファレルが演じた主人公や7位の『理想郷』のドゥニ・メノーシェが演じた主人公、9位の『枯れ葉』のユッシ・ヴァタネンが演じた主人公など100%共感出来るし、気持ちが良く分かる。また主人公だけでなく、主人公を取り巻く環境も非常に身近に感じられ、親近感さえある。2位の『レッド・ロケット』のダメ男の日常と中盤以降のロマンスも生々しく、インパクトが絶大。
3位の『TAR/ター』に関しては正直全く興味がなかったオーケストラの指揮者の動きの芸術性を教えてもらい、それが24位の『マエストロ:その音楽と愛と』を楽しめたことに繋がったのと、成功者の転落劇と周りの空気の張り詰め方の異様さ、これが凄く、印象に残った。
それと3位の『TAR/ター』も含めて、4位の『バビロン』、5位の『To Leslie トゥ・レスリー』、6位の『Pearl パール』、8位の『サンクスギビング』、10位の『ベネデッタ』、11位の『母の聖戦』、12位の『バービー』、15位の『キリエのうた』、16位の『テリファー 終わらない惨劇』、17位の『FALL/フォール』、18位の『ソフト/クワイエット』、23位の『ドリーム・ホース』、25位の『私がやりました』、28位の『愛にイナズマ』、29位の『月』はどの作品も主演女優が素晴らしかった。これを軸に考えると、4位の『バビロン』は単に主演女優マーゴット・ロビーだけでなく、スター俳優役のブラピと成り上がりで映画監督になるディエゴ・カルバによる群像劇と音楽と乱痴気騒ぎによる栄枯盛衰の波が凄かったのでベストテンの上位にランキング出来た。
それと特筆したいのは8位のイーライ・ロス監督の『サンクスギビング』。殺人鬼によるスプラッター映画としてはど真ん中のストレートながらも、群集心理やハイティーンの若者グループのヒエラルキー、バカをバカとしてしっかりくっきり描くし、主人公のジェシカを演じたネル・ヴェルラークを始め、脇役・チョイ役の女の子もよりすぐりのコをキャスティングし、見所満載過ぎるスーパーB級映画だったので、ベストテンに強引にねじ込んだ。ねじ込ませで言えば9位のアキ・カウリスマキ監督作品『枯れ葉』もそうで、おかげでランクインさせる予定だった2023年の隠れ名作『母の聖戦』や2023年の公開映画の中でもインパクトがあった『バービー』でさえベストテンから漏れてしまった。
ということで、MCUやDCEU、ハリウッド大作映画、あと韓国映画とアニメ映画がなくても十分に楽しめた2023年でした。