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2025/11/10 18:28

インフェルノ

インフェルノ

 2016年 アメリカ 劇場公開:2016年10月28日

スタッフ 監督:ロン・ハワード 脚本:デヴィッド・コープ 原作:ダン・ブラウン 製作:ブラ

     イアン・グレイザー、マイケル・デ・ルカ、アンドレア・ジャンネッティ 音楽:ハンス・

     ジマー 撮影:サルヴァトーレ・トティーノ 製作総指揮:ダン・ブラウン、ウィリアム・

     M・コナー、アンナ・カルプ、デヴィッド・B・ハウスホルター

キャスト トム・ハンクス、フェリシティ・ジョーンズ、イルファン・カーン、オマール・シー、ベン

     ・フォスター、シセ・バベット・クヌッセン、アナ・ウラル、アイダ・ダービッシュ、ポ

     ール・リッター ほか

ハーバード大学教授のロバート・ラングドンはイタリアはフィレンツェの病院の一室で目を覚ます。彼にはここ数日間の記憶がなく、そして世界が灼熱地獄と化す幻影に悩まされていた。彼の担当医の一人であるシエナ・ブルックスは頭部への銃撃による怪我が原因で彼が記憶喪失に陥っているのだと告げる。そこに突然、女殺し屋のヴァエンサが現れる。シエナはラングドンの逃亡を手助けし、2人は彼女のアパートへ逃げ込む。2人はラングドンの所持品の中にダンテの『インフェルノ』(『神曲』地獄篇)をモチーフとしたボッティチェッリの『地獄の見取り図』に一部修正を加えた映像を映し出す小型のプロジェクター(ファラディー・ポインタ)を見つける。やがて彼らはそれがバートランド・ゾブリストによって残された第一の手掛かりである事に気づく。

ダ・ヴィンチの名画に隠された謎が世界中で一大センセーションを巻き起こした『ダ・ヴィンチ・コード』(06)、ヴァチカンを舞台にガリレオの遺した暗号を解き秘密結社イルミナティの陰謀に迫った『天使と悪魔』(09)に続き、ダン・ブラウン原作による “ロバート・ラングドン”シリーズの第3弾『インフェルノ』。映画『インフェルノ』は、ダン・ブラウンの原作小説を基にしていますが、いくつかの重要な違いがあります。特に注目すべきなのは、原作ではシエナは物語の最後まで生き延びる結末となりますが、映画では自爆するシーンが追加されており、映画独自の解釈で物語が展開されます。さらに、原作ではウイルスがすでに拡散してしまい、地球規模で大きな影響を及ぼします。一方で映画では、ラングドンたちが間一髪で拡散を未然に防ぐことができる展開に変更され、緊張感の方向性が大きく異なり、映画のラストはより明るく希望的な雰囲気を持つ結末となっています。しかし、この改変により『インフェルノ』が「つまらない」と感じられる理由となっていることです。原作小説と比較して緊張感や倫理的な深みが薄れてしまった点です。特に、原作ではウイルスが拡散されることで人類の未来に対する重い問いが投げかけられますが、映画ではそのテーマが弱まった印象を与えます。また、原作の持つ複雑なプロットや謎解き要素が映画では簡略化され、物語の展開が予想しやすくなってしまったことで、先の読めないスリルや意外性が少ないため、物足りなさを感じることがあります。それでも、シリーズ通してダヴィンチと悪魔は宗教がらみでしたが、インフェルノは世界の人口問題とウイルス、どれもどんでん返しや裏切り善人が悪で怪しいと思ったら味方だったり結構おもしろかったです。そして、ヨーロッパの歴史的建造物や絵画彫刻が素晴らしいですね。

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