DISCASレビュー

カッツ
2026/01/05 08:30

花へんろ ~風の昭和日記~ 第二章

世界恐慌による不景気、そして日本が戦争へと向かう激動の時代。その荒波に翻弄されながらも、四国の遍路道沿いにある商家・富屋の人々が懸命に生きる姿を、主人公・静子を中心に描いたのが本作の第二章である。

昭和4年8月、富屋に強盗が押し入り、身重の静子を人質に「金を全部出せ」と迫る。恐怖と緊張の中で静子は産気づき、予定より早く男の子を出産するが、赤ん坊は産声をあげることもできないほど弱っていた。この出来事をきっかけに、富屋一家の運命はさらに大きく揺れ動いていく。

本作は脚本家・早坂暁の自伝をもとにしており、昭和の人々が持っていた温かな人情や、互いを思いやる心が丁寧に描かれている。渥美清の語りは深い味わいがあり、物語に静かな余韻を与えてくれる。音楽や、時折挿入される俳句も作品世界に寄り添い、どこか懐かしく、心が癒される。

激動の時代を背景にしながらも、人々の暮らしの温度がしっかりと伝わってくる、味わい深い章だった。

 樹木希林と子供時代の内田也哉子が親子の役で出ている。

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