失ったものはバージンだけではなかった
Discover usさんよりオンライン試写会にご招待いただき、7月19日全国公開予定の映画『HOW TO HAVE SEX』を視聴しました。
🎦『HOW TO HAVE SEX』🎦
2023年 イギリス・ギリシャ
監督・脚本:モリー・マニング・ウォーカー
出演:ミア・マッケンナ=ブルース------タラ役
ララ・ピーク------スカイ役
エンヴァ・ルイス------エム役
あらすじ
16歳のタラ、スカイ、エムの3人は進学を前に思い出作りのため、ギリシャ・クレタ島のパーティーリゾート地マリアに到着し、最高の夏にしようね、と誓い合う。3人の中で自分だけがバージンであるタラは、この旅行中にバージンを失いたいと思っている。
ビーチ、プール、クラブ、夜通しのパーティー、解放された気分が高揚感を高め、たばこを吸い、お酒を飲み、羽目を外す3人。
隣の部屋に宿泊するバジャー、パディたちと知り合い、一緒にパーティーへ。タラは気さくで陽気なバジャーに惹かれるが、バジャーを狙っているスカイが、「もっといい男にしなよ、パディにした方がいい、だってバジャーは不細工だよ」とそそのかす。
それでもバジャーが気になるタラ。ところが、パーティーの余興で複数の女性に体を自由にさせるゲームに参加したバジャーに失望する。パーティー会場を離れようとしたタラを追いかけてきたのは、パディだった。
誰もが通り過ぎたティーンエイジの日々。楽しくなければ人生じゃない、なんて思っていたあの頃。世界は自分中心で回っているような気がしていた。早く大人になりたかったあの頃。楽しいことも、辛いことも、悲しいことも「若い」ってことで、相殺された日々。
そんな懐かしい日々を思い起こさせる映画でした。(もちろん、私はいたって真面目でこんなにハチャメチャなティーンではなかったですけどね(笑))
タラはバージンを失ったけど、失ったものはそれだけでは無かったのですね。相手は誰でも良かったのに、SEXを体験した後に陥ったなんとも言えない喪失感で落ち込むタラ。
でもね、私はこれは自己責任だと思います。16歳に自己責任を言うのは酷かもしれませんが、自分で選択して決めたこと。相手が誰でもいいなんて、そんな安易な考えで失っていいものじゃないはず。
女性の性初体験と青春、そして女同士の友情を真正面から飾ることなく赤裸々に描いた力作。
子供ではなく、かといって大人でもない中途半端な世代の揺れ動く感性と感情を、モリー・マニング・ウォーカーが厳しくも優しい目線で描いています。
タラはこの夏の苦い体験によって、もっと大人になり、自分を見失うことのない良い人生を送ることが出来るのだと信じたいです。
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7 月 19 日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、
シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
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©BALLOONHEAVEN, CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION,
THE BRITISH FILM INSTITUTE 2023
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
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