*参加レポ* 第79回毎日映画コンクール贈呈式
こんにちは☀
rin2です。
2月13日に、毎日映画コンクールの贈呈式がありました。
作品そのものはもちろん、関わったキャストやスタッフまで、2024年の名作映画を丸ごと称える歴史ある映画コンクール。
その貴重な贈呈式の場に、シネマニストの皆さんと出席させて頂きました。

ステージでは、各受賞者への盾や副賞の贈呈と、受賞者ご本人によるスピーチ。
どの受賞者も、熱量の高いスピーチで、この熱量を生で体感できるのも、映画コン授賞式の魅力。
今年の受賞ラインナップについて、少し書き残します。
※人名は敬称略
●日本映画大賞:「夜明けのすべて」

今年の日本映画大賞は、映画ファン賞と監督賞との三冠。
重度のPMSに悩む女性と、パニック障害に向き合う男性が、同僚として出会うお話。
恋人でも家族でも友人でもない、同僚同士だからこそ生まれる優しい世界観に、観ている方も癒されていく心のお薬的作品。
贈呈式には、三宅唱監督が登壇し、主演のお2人にもすでに受賞を伝え一緒に喜びあったことや、監督ご自身の受賞の喜びを語ってくれました。
スピーチの中で、「今回は、監督1人の受賞だったけれど、皆で頂いた賞だと思う」と仰っていたのが印象的。
1つのチームで1つの作品を作り上げているという、熱量と愛情を感じました。
●外国映画ベストワン賞:「オッペンハイマー」

外国映画は、アメリカの原爆開発の様子を描いたこちらの作品。
日本人としては複雑な心境になる場面があるのも確かですが、映画作品としての緻密さと面白さを追求しているのがよく分かる作品で、さすがクリストファー・ノーラン監督!と言わざるを得ない。納得の受賞です。
贈呈式には、日本での配給を担当したビターズ・エンドの方が登壇。
ビターズ・エンドは、過去には「チョコレート・ドーナツ」を配給するなど、本当に良いものを広めようという熱量高めな配給会社で、実は個人的に本当に応援している配給会社の1つ。
今回登壇されている姿を見て、勝手に感激してしまいました。
●主演俳優賞:
・河合優実「あんのこと」「ナミビアの砂漠」
2作品どちらも大注目作品だった、河合優実さん。
独特のオーラと感性を持つ、素敵な俳優さんですよね。
残念ながら贈呈式は欠席でしたが、ビデオメッセージで受賞の喜びを語ってくれました。
・横浜流星「正体」
こちらも、まだまだ話題沸騰中の作品から、横浜流星さんが受賞。
陰を感じる役柄とは裏腹に、佇まいもスピーチも穏やかさと謙虚さに溢れている。
「映画業界を盛り上げられるよう精進します。」と語る姿に、改めて彼の魅力を感じた気がしました。
●助演俳優賞:
・池松壮亮「ぼくのお日さま」
2024年、私の中に沁み入ってきた大好きな作品から、池松壮亮さんが受賞。
役柄にも実際の人柄にも、内面から滲み出るものが多い俳優の1人だと思います。
今作の中にも、そんな彼の魅力がぎっしり。
この作品のこの俳優さんが評価されたことが本当に嬉しい!と思える受賞でした。
・カルーセル麻紀「一月の声に歓びを刻め」
もう1人の受賞者は、カルーセル麻紀さん。
スピーチを聞きながら、映画を見たときに味わった、深い衝撃と余韻が甦ってきました。
「(もらった盾を)位牌にする」とご本人は語っていたけれど、それはまだまだ先のことになりそう。
力強いスピーチに、会場が盛り上がっているのを感じました。
●スポニチグランプリ新人賞:越山敬達「ぼくのお日さま」
新人賞は、「ぼくのお日さま」で、フィギュアスケートに出会う男の子を演じた越山敬達さん。
緊張しながらも受賞を喜ぶ姿が、純粋な役柄と重なってほっこり。
これからが楽しみな俳優の1人です。
●監督賞:三宅唱「夜明けのすべて」
日本映画大賞に続いて、三宅監督が再び登壇。
一緒に作品を製作した仲間や、その他関わった沢山の人に感謝している発言が多く、人にも作品にも丁寧に向き合う監督の人柄の良さが伝わってきました。
前作も今作も、三宅監督の作品からは、物語の中の空気が静かに伝わってくる印象があるのですが、それは、監督自身が人や作品と丁寧に向き合っているからなのだなと思いました。
●脚本賞:濱口竜介「悪は存在しない」
脚本賞は、監督としても大注目の濱口竜介さん。
フランス映画のような邦画を作るセンスは抜群!
個人的に、密かに「第二の是枝監督」と呼んでいます。
これからも、濱口ワールド全開の作品作りを続けてほしいし、次はどんな作品かな?と毎回楽しみになる映画人の1人です。
●撮影賞:池田直矢「十一人の賊軍」
撮影賞は、大注目の時代劇から。
昨年本作の入江悠監督にインタビューさせて頂いたこともあり、個人的に思い入れの強い作品でした。
作品としては、録音賞とのW受賞。
あの、良い意味での泥臭さと迫力が評価されたのは納得。
●美術賞:林田裕至「箱男」
30年近い年月をかけてようやく完成した執念の作品、「箱男」が受賞。
常に箱を被って生きる強烈な主人公をはじめ、不気味で不思議な世界観が印象的だった作品。
セットや小物など、物語の中に存在する1つ1つに存在感があり、美術で受賞したのも納得の作品。
●音楽賞:石橋英子「悪は存在しない」
脚本賞に続き、「悪は存在しない」から石橋英子さんが受賞。
そっと物語に寄り添う音楽は、濱口作品を引き立てる存在の1つ。
さりげないようで、実はものすごくこだわっていたであろうことが伝わってくる曲調は、1度聴けばきっと耳に残るはず。
●録音賞:浦田和治「十一人の賊軍」
撮影賞に続き、「十一人の賊軍」から浦田和治さんが受賞。
撮影と録音の2部門で受賞したことからも、こだわりの演出によって生み出されたインパクトが伝わってくる作品。
●ドキュメンタリー映画賞:「映画 ○月○日、区長になる女。」
監督自身が、長年住む街で起きたあるできごとをきっかけに、政治に関心を持って作られた作品。
強烈な思想のもとに作られたと思いきや、1人の市民のシンプルな疑問がそのままシンプルに映画化された、誰にとっても決して他人事ではない作品。
上映館数自体は少なかったものの、今の時代だからこそ、評価されたのだろうなと思うポイントも多い内容でした。
●大藤信郎賞:「私は、私と、私が、私を、」
短編アニメ作品。
なんとこれ、大学の卒業制作で制作された、完全自主制作映画。
抽象的なようでダイレクトな、大人が見てもグサッと刺さる自分物語。
監督のこれからに期待大です。
●TSUTAYA DISCAS映画ファン賞
・日本映画部門「夜明けのすべて」
プロからもファンからも、根強い評価!
今作に心を癒された人も多いはず。
・外国映画部門「インサイド・ヘッド2」
こちらも、前作から根強い人気。
人間の中にある、豊かな感情の1つ1つを擬人化した、共感度の高い作品。
大人も子どもも皆で楽しめる、ディズニー映画の名作が、映画ファン賞を受賞しました。
贈呈式参加から1週間以上経ちましたが、会場で感じたあの熱気は、思い出すだけでわくわく。
映画ってやっぱりいいなと思えたし、映画ファンの視点から、映画界を盛り上げられるようなことも、積極的に取り組んでいきたいなと、改めて思えました!
シネマニストの皆さんとも沢山お話しできて、本当に楽しかったしうれしかった❤
ご一緒した皆さん、ありがとうございました。