カッツ
2025/10/06 19:56
黄金のアデーレ
ナチスによるユダヤ人迫害やホロコーストは、これまで多くの映画で描かれてきた。映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』では、ナチスによる迫害や虐殺そのものは描かれていないが、ユダヤ人富豪の財産が略奪される様子が描かれている。その描写は、実際に起こり得たことだと感じさせられる。
主人公は70歳を過ぎた女性で、名画「黄金のアデーレ」に描かれたアデーレの姪にあたる人物である。本来この絵は彼女の家族が所有すべきものであったが、ナチスによって略奪され、戦後はオーストリア政府が所蔵していた。虐殺された人々の命は戻らないが、略奪された財産は本来の所有者に返還されるべきだという強いメッセージが込められている。
絵を取り戻す過程には緊張感があり、観る者を引き込む。さらにこの映画は、ナチスを受け入れた人々と、ナチスによって迫害された人々との対比を通じて、歴史の複雑さと人間の葛藤を見事に描いている。
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