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2025/10/19 17:58

怪獣ゴルゴ

怪獣ゴルゴ

 1960年 アメリカ、イギリス 劇場公開:1961年1月10日

スタッフ 監督・原案:ユージン・ローリー 製作:ハーマン・キング 脚本:ジョン・ローリング、

     ダニエル・ハイアット 撮影:フレデリック・A・ヤング 音楽:アンジェロ・ラヴァニ

     ーノ 特撮:トム・ハワード 製作総指揮:フランク・キング

キャスト ビル・トラヴァース、ウィリアム・シルヴェスター、ヴィンセント・ウィンター、クリス

     トファー・ローデス、ジョセフ・オコナー、ブルース・セトン、ブルース・セトン、マーテ

     ィン・ベンソン、モーリス・カウフマン、ベイジル・ディグナム、バリー・キーガン ほか

海難救助船トリトン号が大西洋で作業中、近くで海中爆発にあいアイルランド沖の小さなナラ島に逃げこんだ。乗組員ジョー(ビル・トラヴァース)とサム(ウィリアム・シルヴェスター)は島に上陸した。島にいた自称考古学者のマッカーチンは古代遺物の引揚作業中で、2人を邪魔者扱いにした。が、島の少年シアン(ヴィンセント・ウィンター)は2人になついた。2人はマッカーチンの怪しい行動を探り、海底から金銀財宝を引揚げているのを発見した。ある日、潜水夫をしているシアンの父が死体となって浮上した。その顔は恐怖にひきつっていた。巨大な怪獣が島に現れたのは翌日だった。

海底火山の爆発によって目覚めた太古の怪獣。ナラ島では「オグラ」と呼ばれており、海の精霊、航海の守り神として言い伝えられており、当時の海外の怪獣映画としては珍しく、人類の兵器は一切通用しないという設定である。本作は着ぐるみの怪獣を特撮用ミニチュアセットの中で演技させている。日本では1954年の『ゴジラ』以降、「巨大生物モノ」に関しては人間が中に入る着ぐるみで撮影するのが一般的だが、モデルアニメーションや機械・操演によるパペット、あるいは本物を大写しにするといった手法が多い海外の特撮作品としては、珍しいタイプの特撮映画といえる。当初は舞台を日本にした、日英合作の作品にする案であった。ゴルゴの捜索シーンには、『空の大怪獣 ラドン』のF-86 セイバーのフィルム、テムズ河口沖の迎撃シーンでは『戦艦シュペー号の最後』の主砲発射カットが一部流用されている。また、本作は製作国であるイギリスに先駆け、日本で先行公開され、日本怪獣映画への影響もあり『大巨獣ガッパ』のストーリーは本作を元にしたと言われており、ゴルゴの輸送シーンは『スペクトルマン』マウントドラゴン輸送シーン、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』のトト輸送シーンの元になっている。また、ラストの親子で海へ帰るシーンは『ゴジラvsメカゴジラ』のエンディングの元とされている。

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