DISCASレビュー

カッツ
2025/10/24 07:34

グロリア

1980年版と1999年版の2作品があり、特に前者は公開当時こそB級映画と見なされていたものの、その面白さが話題となり、根強い人気を得た。ジーナ・ローランズ演じる“ヤクザなおばさん”は、子ども嫌いながらも少年を守らずにはいられないという矛盾を抱えた人物で、その哀愁と強さが絶妙に描かれている。彼女の存在感と、無骨ながらも情に厚いキャラクターは、まさに“かっこいい”の一言に尽きる。物語全体に漂う“おばさんヤクザ”の哀愁と孤独は、独特の味わいがあり、単なるアクション映画にとどまらない深みを感じさせる。

1999年版はグロリアを車ローンストーンが演じていて、若くてセクシーであるが、個人的には1980年版の荒削りな魅力に惹かれる。リュック・ベッソン監督の『レオン』は、この作品を男性版として再構築したようにも思える。

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