秋に観たいオススメ映画「枯れ葉」🍂

今年の紅葉も深まってまいりました。私がオススメする秋に観たい映画は『枯れ葉』です。秋の夜長にいかがでしょうか。

『枯れ葉』　2023 フィンランド🇫🇮ドイツ🇩🇪 81分⁡

北欧フィンランドが誇る巨匠アキ・カウリスマキ監督、2017年の『希望のかなた』以来、6年ぶりとなる新作です🆕
アキ・カウリスマキ監督ご本人、犬がお好きなようで『枯れ葉』にも可愛いワンコが登場します。

『希望のかなた』は、邦画の『花束みたいな恋をした』で、主人公の麦と絹が映画館で観ていた作品ですね。こちらもなかなか面白い作品です。

⁡これまで観てきたアキ監督作品

私がこれまで観たてきたアキ監督作品は、『希望のかなた』と『ルアーブルの靴磨き』の2本だけでしたが、Amazonプライムビデオで過去作が大量配信されています！レトロスペクティブ（回顧）とはこのこと、見逃す手はないと思い7作品を一気鑑賞しました。
どの作品も庶民の暮らしをテーマに、基本は男と女の話であり、辛辣ながらシュールでクスッと笑えて、音楽も多様でとても味がある。全て短尺の作品なのでサクッと観れるのも強みですね。
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🔴労働者三部作
『パラダイスの夕暮れ』1986年80分
『真夜中の虹』1988年74分
『マッチ工場の少女』1990分70分
⚫️敗者三部作
『浮き雲』1996年96分
『過去のない男』2002年97分
『街のあかり』2006年78分
🔵その他
『コントラクトキラー』1990年80分⁡

『枯れ葉』は孤独な中年男女のラブストーリー

前置きが長くなりましたが、今回紹介する『枯れ葉』は、これまで観た作品の雰囲気を踏襲しており、個人的には1番好きな作品となりました😊
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前述の労働者シリーズの4番目の位置付けだそうですが、敗者シリーズの系譜も辿っているかと思います。
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『デッドパン』という言葉。インスタグラムのフォロワーさんに教えてもらって、全く知らなかったんですが、『出来事の可笑しさに対して「何とも思っていない」または「何も感じていないよう」に無表情で反応する喜劇の表現。鈍感、皮肉、ぶっきらぼう、意図的でないものとして使われる。』だそうです。
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なるほど🧐まさにアキ監督作品はコレ(デッドパン)なんですよ‼️出てくるキャラは無表情かつ表情が硬い。

しがない中年女性と中年男性の恋を描いたラブストーリー。決して華やかな恋を描いた話ではないですが、社会の荒波に揉まれながらも何とか生きてきた独り身の男女が出逢い、一言も発せずに惹かれ合う。そう、アキ監督作品は、突然に恋が始まり、突然映画を観たり、突然仕事をクビになったり、突然犬を飼ったり、行き当たりばったりの突然が多いんです🤭そこがとてもいい。⁡

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アキ監督作品に初登場の主演俳優２人

アキ監督作品は、マッティ・ペロンパーやカティ・オウティネンといった常連俳優がよく出てきますが、本作の主演２人は初登場かと思います。

アンサを演じたアルマ・ポウスティさん。恋煩いと職探しに奔走し、泥臭く哀愁を漂わせながら生きる中年女性を演じており、とてもチャーミングな女優さん。劇中に出てくるアスパラガスの料理も美味しそうだし、ラスト近くのぎこちないウィンク😉もいい。観た後はすっかり彼女のファンになりました🫶『TOVE/トーベ』という作品で、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンを演じておられますね。

ホラッパを演じたユッシ・ヴァタネンさん。お初でしたが、アル中で映画好きカラオケ好きな無口な男を好演👏仕事中も隠した酒をこっそり飲むほどのアルコール依存症です。アルコール依存症といえば、古い映画ですがレイ・ミランド主演の『失われた週末』という作品が有名ですが、主人公のドンを思い出す重度の酒好きでしたね。

ヘルシンキの姉妹デュオバンド

酒から立ち直るキッカケの曲『悲しみに生まれ、失望を身にまとう』、とても印象に残ってます♪他にも日本の曲やナナカマドの歌(確か『生きるLIVING』でビル・ナイさんも歌ってた気がする)とか、相変わらず劇中の音楽のセンスが素晴らしい👍

姉妹デュオであるマウステテュトットが映画に出演し無表情で熱唱しています。

映画愛に溢れる演出

ホラッパがアンサとの初デートで観る映画も良いですね🧟ジム・ジャームッシュ監督の映画『デッド・ドント・ダイ』、味があるしナイスチョイスです。私も学生時代に無理矢理『ゾンビ』につき合わせた事があります🤭ロベール・ブレッソン監督の『ラルジャン』のポスターを見た時は、思わず唸りました😮この映画もすごいんです。映画愛にも溢れた作品でした。