ストーリー

フランスのTVドラマ『レ・ルヴナン』（邦題：蘇える死者たち）のためにスコットランドのポストロックバンド、Mogwaiが手がけたサウンドトラックは、死と再生、静寂とざわめきを織り交ぜた繊細な構成が特徴。「Hungry Face」や「Relative Hysteria」は、限りなく抑制された旋律とギターの響きが、存在の不確かさを強調し、聴く者の神経をじわじわと刺激する。音数の少ないアレンジとディレイの多用が、現実と非現実の境界を曖昧にし、視覚に頼らずとも“何かが起きている”という感覚を生む。2013年のオリジナル盤は、モグワイ作品の中でも評価が高く、ドラマの枠を超えて独立したアルバムとして成立している。薄明かりのような音楽を好む人におすすめの一枚。