DISCASレビュー

かずぽん
2025/10/20 10:21

ミッドナイト・マーダー・ライブ

【Happy birthday!】

 

監督:ロムアルド・ブーランジェ(2022年・米・104分)
原題:ON THE LINE

LAの深夜のラジオ番組“ON THE LINE”は、DJのエルヴィス(メル・ギブソン)が生放送でリスナーの悩みを聞いてエルヴィスが解決する。そんな番組だった。
今夜もエルヴィスは、受付の警備員や同僚たちと軽口(かなり毒舌)を叩きながら自分のブースに向かう。どうやら、日付が変わったら彼の誕生日らしい。
放送ブースにはアシスタントのメアリーがいて、機器操作を担当する新人のディランもいた。エルヴィスは、誰彼かまわずからかったり、イジるのが趣味らしく、この日もディランを悪趣味なことばで揶揄って困惑させていた。
放送が始まって、いつものようにリスナーの相談を受け、過激なジョークを炸裂させていたが、ゲイリーという男からの電話で雰囲気が一変する。ゲイリーは、エルヴィスのせいで恋人が自殺し、その復讐のためにエルヴィスの妻と娘を監禁したと告げたのだ。

エルヴィスとゲイリーのやり取りはこの電話を通しての会話のみ。
ラジオ局内の何箇所にも爆弾を仕掛けられていて、エルヴィスたちは局内から出ることが出来ない。
ゲイリーがこのラジオ局の元警備員だったことや、彼の自殺した恋人はエルヴィスの元アシスタントだったことなどが分かり、エルヴィスの言葉の暴力が自殺の理由だったことが明らかになっていく。

もうホントに悪趣味としか思えない。
1997年のデヴィッド・フィンチャー監督作品(ゲーム)よりは程度がよいけれど、やはり後味は悪いし、エルヴィスって本当に懲りない男なんだと思うと腹立たしくもある。こんな毒舌と意地悪なジョークを炸裂させているのにも関わらず、何で皆から誕生日を祝って貰っているの?せっかくお灸を据えたのだから、もっと懲らしめてやればいいのに。
これじゃ、ただの悪ふざけ。周りの皆もエルヴィスと同類。同罪だ…

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