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2025/07/24 17:49

美女と液体人間

美女と液体人間

 1958年 東宝 劇場公開日:1958年6月24日

スタッフ 監督:本多猪四郎、製作:田中友幸、原作:海上日出男、脚本:木村武、

     特技監督:円谷英二、撮影:小泉一、音楽:佐藤勝

キャスト 佐原健二、白川由美、千田是也、平田昭彦、佐藤允、小沢栄太郎、田島義文、土屋嘉男、
     伊藤久哉、中丸忠雄、夏木陽介、中島春雄、北川町子、白石奈緒美、園田あゆみ ほか
小雨降る東京の下町で、不思議な事件が発生した。麻薬を盗みとった一人の男が、盗品はもとより身につけていた衣服一切を脱ぎ捨てて跡形もなく消え去ったのだ。その男は、麻薬密売をしているギャング三崎であることが判った。彼には、キャバレー「ホムラ」の人気歌手で千加子という女がいた。ある日千加子の前に、生物化学を専攻する政田という学者が現われた。彼は、三崎が水爆実験の前後、海上にいたかどうかをたずねるのである。また、三崎が隠匿したと思われる麻薬の行方を追求するギャング団も千加子を狙っていた。その一人西山は、彼女のアパートに乗りこみ脅迫したが、彼も突如現われた人間状の形をした液体に溶かされ姿を消してしまった。千加子からその目撃した一瞬を聞いた政田は愕然とした。そして富永捜査一課長をある病院へ案内した。そこのべッドには、原爆症にやつれた二人の男が横たわっていた。彼らは水爆実験当時、南方海上で行方不明を伝えられた第二竜神丸とすれちがい、仲間とその船に乗り移ったが、人間の形をした生物のような液体に次々と倒され、二人だけようやく逃げ帰ったというのだ。

液体人間は神出鬼没。水中に紛れてしまえば追跡は不可能。その不気味さもさることながら、音も無く忍び寄り、標的が泡となって崩れ落ちていく怖さと言ったら…。そんな液体人間の誕生の原因となったのが、太平洋で行われた水爆実験。冒頭、それに遭遇して被爆した漁船が登場しましたが、これは1954年に発生した「第五福竜丸事件」をモデルにしているとのこと。日本初の本格怪獣映画「ゴジラ」製作のきっかけとなったことでも知られる事件ですが、当時は発生から2年しか経過しておらず、放射能の脅威がまだ身近に感じられていた時期だったのではないかなぁ、と…。物語的な怪奇だけで無く、現実的な恐怖も持っている作品だと思いました。

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