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鬱・トラウマ映画

じょ〜い小川
2025/03/31 11:26

【鬱・トラウマ・絶望映画マニア】『教皇選挙』

■教皇選挙

(c)2024 Conclave Distribution, LLC.

《作品データ》

ロバート・ハリス原作の「教皇選挙」をNetflix映画『西部戦線異状なし』のエドワード・ベルガー監督か映画化したミステリー映画!あるひ、カトリック教会のトップであるローマ教皇が心臓発作で急逝し、ローマ教皇庁首席枢機卿のトマス・ローレンス枢機卿は枢機卿団を招集し、新たな教皇を決める為の教皇選挙(コンクラーヴェ)を行うことに。100人以上の枢機卿がシスティーナ礼拝堂に集まり、教皇選挙が行われるが、枢機卿団の票が割れて新教皇選出は難航を極める状態に。トマス・ローレンス枢機卿役をレイフ・ファインズが演じ、他スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニが出演。

 

・3月21日(木・祝)よりTOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

・配給:キノフィルムズ

・上映時間:120分

【スタッフ】

監督:エドワード・ベルガー/脚本:ピーター・ストローハン

【キャスト】

レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ、セルジオ・カステリット、ルシアン・ムサマティ、カルロス・ディエス、メラーブ・ニニッゼ、ブライアン・F・オバーン、ジャセック・コーマン

 原題:Conclave/製作国:アメリカ、イギリス/製作年:2024年

公式HP:https://cclv-movie.jp/


《『教皇選挙』レビュー》

今年のアカデミー賞の作品賞ノミネート作品の中でもダークホース的な存在で、作品賞こそは逃したが脚色賞を受賞したレイフ・ファインズ主演映画『教皇選挙』。雰囲気こそはフライヤーや予告編から感じた通りの重厚な雰囲気の作品ながら、難航する教皇選挙の展開や有力候補者たちのスキャンダルか次々と発覚したり意外なトラブルが発生したり、

先が読めない展開に惹き込まれた!

 

(c)2024 Conclave Distribution, LLC.

 

この教皇を選出する「教皇選挙」、トップ投票者の票が100人以上(たしか108人)いる全投票者数の3分の2の票が集まらないまでは日を改めて何度も繰り返して選挙が行われるため、衆・参議院選挙やAKB48選抜総選挙のような一発勝負とは違ってなかなか決まらず、レイフ・ファインズが演じる選挙を取り仕切るトマス・ローレンス枢機卿が右往左往している様変わりなんとも面白い。それこそいい歳した初老のおじさん達によるダーティーな駆け引きの連続だし、その中で突出したカリスマ的な人がいない上に、「あっ、この人に票が集まるかな?」って思いそうな人からスキャンダルが発覚したりするから選挙が難航している。

(c)2024 Conclave Distribution, LLC.
(c)2024 Conclave Distribution, LLC.

そんな中で選挙はわりと

「え?この人が?」

という人が選ばれるんだけど、その方向に持っていく、そう思わせる脚本(脚色)が秀逸。具体的には書けないが終盤に捻りがあり、見事なラストになっている。このどんよりとした初老の連中の駆け引きって永田町に集まるあの方達もおそらくそうなんだろうなと思うし、それこそアカデミー賞の総本山のアメリカでは大統領選があったばかりだからタイムリーな作品である。

(c)2024 Conclave Distribution, LLC.

初老のおジジ&おババのどんよりなワチャワチャはどんよりばかりでなくカラッとしたトラブルもあるから見応え十分だし、あの結末は現代らしさもある。じっくりじわじわと良さが染み渡る映画なので、

重い重い初老のオヤジの総選挙が見たい人にはぴったりな映画である。

(c)2024 Conclave Distribution, LLC.
(c)2024 Conclave Distribution, LLC.
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