Netflix『極悪女王』オンライン試写会レビュー
こんにちは!
そぜシネマです。
自分の人生を変えた【映画】の魅力を
『旅』『ワイン』『トリビア』のかけ合わせで紹介していきます。
今回ありがたいことにNetflixシリーズ「極悪女王」のオンライン試写に招待いただき、一足先に全1~5話観てきました。
あらすじ
80年代、男女の不平等や女性蔑視が問題視されずに当たり前だった時代の日本。 そんな時代と格闘し、日本中を熱狂させ空前のブームを巻き起こしたのは女子プロレスだった。 正統派プロレスラーとしての成功にあこがれながらもクビ寸前だったダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)が悪役に転身し、クラッシュギャルズとして日本中のスターへかけ上がる長与千種(唐田えりか)、ライオネス飛鳥(剛力彩芽)ら仲間たちとの友情と戦い、さまざまな代償を抱えながら日本史上最も有名な〝ヒール〟に成り上がっていくさまを描く。
みどころ
いや、正直度肝を抜かれました。
こんなジェットコースターのような波乱万丈な一人の人生をダイナミックに起承転結付けて最大限に表現されていたドラマシリーズはあまり見たことが無い。
今流行りの表現をするならば
「最もフィジカルで最もプリミティブで最もフェティッシュ」
な要素がふんだんに盛り込まれている作品でした(これ著作権ないよねw)。
私も少年時代に観たダンプ松本の試合の衝撃が今でも記憶に残っている。
会場を竹刀をもって縦横無尽に暴れまわりとばっちりを食らう観客はなぜか嬉しそう。試合は決まって凶器を持ちだしての血みどろ『死合』に。フォークでザクザクやる辺りで大抵親が強制的にチャンネルを変えたので試合結果は分からず仕舞い。
それほど当時のダンプ松本はすごかったです。
日本中の罵詈雑言を糧にして悪役街道を一気に駆け上がった『国民的ヒールイン(ヒロイン)』
でした。
そんな唯一無二の彼女を演じたのはゆりやんレトリィバァ。
前半の【松本香編】と後半の【ダンプ松本編】。
熊谷に住む裕福でない家庭で生まれたひとりの少女から極悪女王に覚醒していく様を見事に演じ切っている。
貧しい家庭に育ち、父親からの暴力に会いながらも母親や妹と協力して一日一日を必死に暮らしていく。高校卒業後のタイミングで母親が紹介した正社員の仕事も無断で辞めてしまい、自分が選んだ道は【プロレスラー】。
少女の頃から観ていた憧れのビューティーペアー。ジャッキー佐藤、マキ上田に憧れていた夢をあきらめきれずに自分もプロレスラーになりたいとプロレスラーのオーディションに。
その夢を掴み取ろうと必死に努力するものの、会社からも同僚先輩からも虐げられ、自分のやりたいことが出来ない毎日。
やがて彼女はため込んだ怒りと悲しみを日本中にぶちまける。
誰もが恐れる“最恐ヒール『ダンプ松本』の誕生だ。
そこからの震えあがる変貌ぶりは実際に観て、感じてもらいたい。
さながら私が感じたのはホアキンフェニックス演じるアーサーの『ジョーカー』の様。
声も可愛く、度胸も極小だった松本香が自分の内の怒りをメイクに反映してもう一人の人格が誕生したあの瞬間がまさに彼そのもの。
ここからはダンプ松本が何故リングで極悪女王を言われていたかを体感できる試合の数々が。
まるで当時の1980年代のリアルマッチをデジタルリマスターで再現したかの様な手に汗握る試合を体感できる。
そして、女子プロレス史において今も語り継がれる、同期であり、戦友でもあった長与千種との【敗者髪切りデスマッチ】の試合は鳥肌もの。
ここからの両者の関係の行方についても非常にドラマティックで見もの。
クライマックスを迎える『1988.2.5 ダンプ松本引退試合』
同じく引退を迎える大森ゆかりとのドリームコンビと“クラッシュギャルズ”長与千種&ライオネス飛鳥との同門・同期対決。
最強(最恐)の55年組の試合結果とそこから始まる新たなエキシビジョンマッチはドラマでも想定できないほど胸熱な展開。この熱狂ぶりを見事に再現した本作はまさにクライマックスにふさわしい。
そしてこの花道を通るダンプ松本の映像が物語の序盤に流れた場面だったのだと気付く。
その時この物語の回想が終わりを迎えることに気付き、
『おもわずスタンディングオベーションをしたくなる何にも代えがたい興奮』と
『もう少し観ていたかったという一抹の寂しさ』
の両方を味わうことになる。
余りに面白かったので実は二周してしまった。
そして9月19日からの世界独占配信。
またみなさんと一緒にもう一度楽しむことになることを確信しています。
楽しみにしていてください!
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