今こそ、日本人として見るべき映画4選
世界はますます混沌としています。各地で紛争が起こり、無差別の殺戮が繰り返され
憎しみの連鎖は止まることを知りません。
人種の違い、宗教の違い、言葉の違い、慣習の違い、そんなことは皆同じ人間であることの前には、大きな意味はないはずなのに、人は争うことを止めません。
戦争体験者が少なくなった今、核爆弾を落とされた世界唯一の国の国民として、今こそ見るべき映画をご紹介したいと思います🎦
🎦ヒロシマナガサキ (ドキュメンタリー)
制作年: 2007年
制作国: アメリカ
原題 : WHITE LIGHT/BLACK RAIN: THE DESTRUCTION
監督 : スティーブン・オカザキ
本作がアメリカで制作されたことに意義を感じます。
驚いたことに、冒頭の映像で渋谷を闊歩する20年近く前の若者たち(撮影当時2005年)に、1945年8月6日に日本に何があったか知ってますか?という質問をすると、ええ?何があったんだろう?と全く答えられない若者が多くいたことです。
20年近く前でもこんな状況でしたから、今ではもっと知らない人達が多いのでは?と危惧されます。
私は10代最後の年に友人3人とヒロシマの原爆資料館に行きました。ヒロシマに来たからには、ここは行っておかないとね、と気軽な気持ちで入館したのですが、出てきたときは誰も口が利けない状態でした。ショッキングな資料の数々に打ちのめされたようになり、私たちは暫くの間、公園の芝生に黙って座り込んでいました。
戦争という歴史の惨酷さ、何も罪のない人達が地獄絵図のようになったこの地で苦しみならが死んでいったことを思い、悲しい気持ちのまま帰京したことを今でも覚えています。
20年近く前のドキュメンタリーですので、語りべとして出演している多くの被爆者の方はもう既にお亡くなりになっていることでしょう。
〖はだしのゲン〗を描かれた漫画家・中沢啓治さんも語りべの一人として出演していますが、2012年に癌でお亡くなりになっています。
語りべの一人の女性が「生き残っても、人間らしく生きることも死ぬことも出来ない」と言っていたのが耳に残りました。
決して忘れてはいけない歴史、決して目を背けてはいけない戦争の傷後を、このドキュメンタリーを見ることで改めて心に刻みました。
🎦第五福竜丸
製作年:1959年
製作国:日本
監督 :新藤兼人
出演 :宇野重吉、 乙羽信子 、 稲葉義男 、 永田清 、 原保美 、 小沢栄太郎 、 千田是也 、 清水将夫
あらすじ(DISCASより)
日本映画界最高齢の巨匠・新藤兼人監督の傑作をレンタルリリース。1954年3月1日、午前3時42分、第五福竜丸の乗組員たちが、米国・ビキニ環礁で行なわれた水爆実験に遭遇した事件をドキュメンタリー風に描いた渾身の力作。
ヒロシマ、ナガサキに落とされた原子爆弾に次ぐ、第三の原爆被害と言われてる事件(〖ゴジラ〗が生まれるきっかになった事件です)を、事実に即してドキュメンタリー風に淡々と描いていきます。
当初のルートでは不漁だったため、行先を変更してビキニ環礁に行ってしまった漁船・第五福竜丸は、死の灰を浴びてしまいました。スパイ活動をしていたと疑われることを危惧して、SOSを発せず2週間後に日本に帰還。
乗組員は全員真っ黒な顔で戻ってきたのです。やがて体調を崩すものが続出。戦後10年もたっていない時に、このようなことがあったという事実を知るために、ぜひ見て欲しい作品です。
🎦ゴジラ
製作年:1954年
製作国:日本
監督 :本多猪四郎
出演 :宝田明 、 志村喬 、 河内桃子 、 平田昭彦 、 堺左千夫
あらすじ(DISCASより)
"言わずと知れた「ゴジラ」シリーズ第1作にして、日本特撮映画の原点である大傑作。巨大生物・ゴジラが突如現れ、東京中を破壊し始めた。政府はゴジラを倒すため、核兵器以上の威力を持つ破壊兵器を開発した芹沢博士を頼る。
ただの怪獣映画ではありません。人間のおごりや核への脅威を「ゴジラ」という媒体を通じてきちんと描いた作品です。
ゴジラを核爆弾の脅威と考えると、人間はなんと無力なことか。
ゴジラを討伐する策というのが、これまた脅威の最終兵器オキシジェン・デストロイヤー!
どんな脅威なのか、ぜひともご自分の目で確かめてみて下さい。
🎦ゴジラ-1.0
製作年:2023年
製作国:日本
監督 :山崎貴
あらすじ(FILMARKSより):
戦後、無になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を 負 に叩き落す。 史上最も絶望的な状況での襲来に、誰が?そしてどうやって?日本は立ち向かうのか―。
もしも戦後の東京、復興途中の東京にゴジラが現れたらこんなだったでしょう、という想定のもとに
山崎貴監督が、大混乱の東京をド派手に描きます。そこに人と人との人間愛、危機を乗り越えるために団結する人々の絆をしっかりと描きこんでいるので、最後は感動の渦となります。
これも、日本人なら見るべき作品の一つだと思います。
めちゃくちゃ姿勢の良いゴジラです。
真っすぐ前だけを見て歩く姿が凛々しかった!
人間は団結して、脅威と戦う術を持っているのだということをこの映画は教えてくれます。
DVDは2024年6月ころにレンタル開始ではないかと予想されます。(勝手な予想ですが。。。)
お楽しみに🎬
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投稿を表示終戦から80年近く。語り部となる戦争経験者もどんどんと鬼籍に入られる中、世界中では今も愚かな闘いを続け、戦争を知らない世代が戦争を肯定して歴史を修正しようとする者も世界中で現れる中で、今現代に戦争を伝える術は映画や本など文化として残されたもののみとなってきていますが、それだけまだまだ映画の力を信じて、なんとか戦争を起こさないよう、ご紹介いただいたような作品を後世に残していかなけらばならないと強く感じます。
ご紹介いただいた作品のうち『ヒロシマナガサキ』は未見ですが、アメリカで製作されたドキュメンタリーということで気になります。(原題がまた素晴らしい)
『第五福竜丸』はじめ、同じ新藤監督の『原爆の子』とか、『ひろしま』とか『ガラスのうさぎ』とか戦争の悲惨さを訴えた作品は枚挙にいとまがありませんが、やはり戦争を経験した人達が作った作品には説得力と凄みがありますね。旧作『ゴジラ』もまさにそれでしたよね。
今回のマイナスワンは一部で反戦が描けてないだなんだという批評もありますが、現代に改めて戦争というものの愚かさを刻み込んだ名作。本作を見たアメリカ人の感想で、「日本が東京大空襲であのように荒廃していたことを知らなかった」という発言が結構見られていました。それだけでも本作の意義はあると思います。
「日本人として観るべき映画」の中にゴジラ2作を加えてくださった飛べない魔女さんの見識に脱帽です。
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投稿を表示「第五福竜丸」は過日観たばかりなので、まだ余韻さめやらぬ自分がいます。
54年版「ゴジラ」はなんといっても元祖ですから、思い入れが強いです。
「ヒロシマナガサキ」はリストイン済で、近々鑑賞予定です。
>本作がアメリカで制作されたことに意義を感じます。
なるほどですね。
実際に観て、自分がどう感じるか、自分自身に興味が湧きます。
2024.01.25
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