カッツ
2025/12/31 07:49
獣の戯れ
1964年製作の『獣の戯れ』は、三島由紀夫原作の小説を映画化した作品で、若尾文子、伊藤孝雄、河津清三郎が主演を務める。社長夫婦とアルバイト学生という三人の奇妙な関係を描いた物語で、伊藤孝雄がどこか三島由紀夫本人を思わせる雰囲気を漂わせているのが印象的だった。
若い社長夫人(若尾文子)に心を寄せる学生。しかし彼女は夫と学生の間を揺れ動き、社長は浮気に明け暮れ、妻にも無関心という歪んだ関係が続く。ある日、夫人と学生が社長の浮気現場に踏み込んだことで、社長は半身不随の重傷を負ってしまう。刑期を終えて戻った学生を迎えたのは、意外にも社長夫婦だった。
彼らは別荘のある小島で奇妙な共同生活を始める。寝室を隣り合わせにし、夫人が二人の間を行き来する。さらには三人で風呂に入ろうと提案するなど、常識から外れた関係が続き、台風の夜に物語は最悪の結末へと向かっていく。
“三島文芸”と言われるように、この三人の関係はどこか倒錯的で、エロティックでありながらも、説明のつかない不思議さが漂っている。人間の欲望や依存、支配と服従が絡み合う独特の世界観が、観終わったあとも奇妙な余韻を残す作品だった。
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