Discover us

DISCASレビュー

マスクド
2025/02/06 22:56

岸辺露伴 ルーヴルへ行く

「ジョジョの奇妙な冒険」、のスピンオフである「岸辺露伴は動かない」、の実写ドラマ、の映画化という元を辿っていくとちょっとややこしいところのある作品です。映画のタイトルも「岸辺露伴」とは入ってるものの「岸辺露伴は動かない」とは入っていないため、さらにややこしいです。とはいえ、ルーヴル美術館まで行ってるんだから「動かない」とつけるのはタイトル詐欺が過ぎますが。ドラマや原作でも事件解決のために結構動いてはいますが。
実写ドラマから地続きではありますが、この映画一つで完結しているのでドラマを観ていなくても楽しめるようにはなっています。
まず、原作との相違点として、スタンド能力という言葉はでてきません。露伴先生も「ヘブンズ・ドアー(相手を本にして心を読んだり命令を書き込める能力)」のことをギフトという呼び方をしており、仗助達とは出会っていないパラレルワールドと考えた方がよいかもしれません。後は原作では登場回数の少ない担当編集の泉京香がヒロインポジションになってずっと登場しているところです。ヒロインポジションとはいえ露伴先生の性格もありこの二人の恋愛描写は一切ありませんし、基本的にトラブルメーカーだったり、視聴者の代わりに露伴先生に色々質問をするような役割を担っているので、個人的にはこの改変に不快感はありませんでした。
映画本編の話をすると、ルーヴルへ行くはそんなに長い話じゃないので他のエピソードを混ぜるのかと思いきやルーヴルへ行く一本で映画を作っていました。しかし、本編を掘り下げる描写を入れたり、原作には登場しなかった悪役がいたりして、俗に言う「薄めたカルピス」にならずにまとまっていました。
原作にいない悪役という部分で賛否があるとは思いますが、観終わった後調べると原作者である荒木先生が被害者を悪役にして欲しいと要望したらしく、原作者の意向を汲みつつ物語に矛盾が生まれないようにしている努力が伺えます。
また、度々蜘蛛が登場し、映像として動き回ると気持ち悪さが増し、ここもドラマや映画といった映像ならではの描写だと思います。
後、露伴先生が泉京香からモナ・リザに似てると言われ、ただのファンサービスの小ネタかと思いきや、露伴役の高橋一生さんとモナ・リザが並ぶシーンがあり、「言われてみればちょっと似てる!?」ってなったのが面白かったです。露伴先生の神経質さや大人気なさ、でも知り合いを助けようとする正義感もあるところなどの演技も素晴らしいですし、モナ・リザに似てるところ含めて最適なキャスティングかもしれません。

次の映画もあるので、興味のある人は先にこちらを観てみてもよいかも知れません。

コメントする