Yuji Abe
2025/01/31 21:57
人間関係のドロドロ感が凄すぎる映画『遺書、公開。』
映画『遺書、公開。』を鑑賞。
「面白かった。いや、怖かった。」
そんな言葉が真っ先に浮かんだ作品。
人の心の闇を
これほどまでに赤裸々に描くとは…。
自殺した姫山椿を
よく思っていなかった人々が、
ここまで容赦なく彼女を
責め立てる展開には戦慄した。
彼女の孤独や苦しみが
痛いほど伝わり、
胸が締めつけられる。
だが、それ以上に恐ろしいのは、
彼らの言葉がどこか
現実にもありそうなこと。
まるで観客自身の心の奥底を
覗かれるようで、
自分の中の「嫌な部分」と
向き合わざるを得なかった。
姫山椿の優等生然とした受け答えは、
自分の学生時代を思い出させた。
そして、彼女を
よく思わない同級生たちが
次々と彼女の本当の思いを語る、
「もし自分も陰で
こう思われていたとしたら…」
と考えると、心が張り裂けそうになった。
登場する学生たちの個性が
はっきりしているため、
自分に近いキャラクターを見つけると、
より深く突き刺さるかもしれない。
ただ、個人的には
『ソロモンの偽証』のように、
等身大の学生たちが演じていたら
さらにリアルさが増したのではと感じた。
役者の年齢がやや上に見えたことで、
一部のシーンに違和感を
覚えてしまったのは少し残念。
原作は漫画とのことだが、
小説があれば、読んでみたくなった。
一人ひとりの心理描写が
文章で深掘りされれば、
さらに背筋が寒くなるだろう。
人間関係のドロドロとした
葛藤が好きな人には、
ぜひ観てほしい一本だ。
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