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じょ〜い小川
2024/10/10 08:39

キルスティン・ダンストとケイリー・スピーニーによるソフィア・コッポラ監督作品主演女優の新旧共演と隠れ神キャスティング『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

どうも、じょ〜い小川です!

 

さて、今回のテーマはハマり役!キャスティングが素晴らしい映画。

 

ぶっちゃけた話、

督や俳優で見ることはあっても

キャスティングで見るとかはあんまりないかな。

作品展開や美術や音楽の演出、俳優の演技、時代考証などを述べるけど、

キャスティングは最後の方でおまけで語るし、

監督、脚本、プロデューサー、製作総指揮、撮影、美術、衣装などを見る中でキャスティングは……それそのものでは最後の方になるかな、評価するのは。


『エクス・マキナ』や『MEN 同じ顔の男たち』を手掛けたアレックス・ガーランド監督最新作『シビル・ウォー アメリカ最後の日』。ありそうでなかった現代の戦場映画とロードムービーのミックスによる斬新なディストピア映画であるが、そのキャストも味わい深い。

(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

まず、キルスティン・ダンストが演じるベテラン戦場カメラマンのリー、ヴァグネル・モウラが演じるジャーナリストのジョエル、スティーヴン・ヘンダーソンが演じるリーの師匠的存在に当たる老記者サミー、ケイリー・スピーニーが演じる戦場カメラマンのリーに憧れる見習い写真家というパーティー編成のドラマもしっかりとして面白い。リーの知識・経験&度胸・行動力で他の3人を引っ張りつつ、あどけなさが残っているジェシーを強めにたしなめながら育てている。これに精神面で弱さが見られたジェシーも銃弾が飛び交う人隣り合わせのシビアな現場で鍛えられ、成長していく様子が微笑ましい。こうしたリーやジェシーを老記者サミーが温かい眼差しでソフトに支えるあたりにほんの少しほっこりするものがあり、リーと一緒についてきたジョエルがみんなをそつなくサポートする。

(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

実はこの4人の立ち位置は演者4人そのもののポジションが反映されている。それはキルスティン・ダンストは『ヴァージン・スーサイズ』と『マリー・アントワネット』で、ケイリー・スピーニーは『プリシラ』というように共にソフィア・コッポラ監督作品で主演女優を偶然にも演じた二人である。かつて『ヴァージン・スーサイズ』ではまだあどけなさがあったキルスティン・ダンストと、『プリシラ』や『エイリアン:ロムルス』が記憶に新しい新進気鋭と言っていいケイリー・スピーニーといった世代が異なる主演女優らによる“あどけなさが残る女優の新旧継承劇”として見るのも面白いし、そこから見るとリーがジェシーをたしなめるシーンはそのまんまベテラン女優のキルスティン・ダンストが新進気鋭のケイリー・スピーニーをたしなめているシーンそのものと言えよう。

(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.
(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.
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また、ベテランの老バイプレイヤー俳優のスティーヴン・ヘンダーソンも、インターナショナル路線作品のブラジル人枠のバイプレイヤー中堅(中年?)俳優のヴァグネル・モウラも上手く演者のバックグラウンドが活かされている。

スティーヴン・ヘンダーソンが何気にケイリー・スピーニーを気遣うシーンはお爺ちゃんと孫娘のシーンそのまんまだし、ヴァグネル・モウラが演じるジョエルがジャーナリスト仲間の中国系のトミーやソノヤ・ミズノが演じた日系ジャーナリストのアニャと交流するシーンもハリウッドのインターナショナル俳優事情そのまんまな雰囲気だったりするし、そこに多人種が行き交うアメリカのリアルさが伺える好演出である。

(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

あと見逃せないのが、中盤の農場のシーンで出て来た赤サングラスの兵士。彼、なんと、ジェシー・プレモンスが演じている!ジェシー・プレモンスと言えばヨルゴス・ランティモス監督作品の『憐れみの3章』の主演俳優の彼だが、このシュールな恐怖があるシーンがまた『憐れみの3章』の彼らしく、本作における隠れ神キャスティングである!

(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

■シビル・ウォー アメリカ最後の日

 

《作品データ》

『エクス・マキナ』や『MEN 同じ顔の男たち』を手掛けたアレックス・ガーランド監督最新作は現代のアメリカを舞台に、アメリカ19州の米連邦政府離脱後の国内の内戦を描いたディストピアアクション!ベテラン戦場カメラマンのリーと記者のジョエルはカオスと化したニューヨークの街中で出会い、14か月間メディアの取材に応じていないホワイトハウスの大統領に直撃インタビューを行うべく、老記者のサミーと写真家のジェシーを連れて、ワシントンDCへ。しかし、州道が寸断されているため、ピッツバーグからウェストバージニア州へ、シャーロッツビル経由で迂回して、1400kmの旅をすることに。リー役をキルスティン・ダンスト、ジェシー役を『プリシラ』のケイリー・スピーニーが演じ、他ヴァグネル・モウラ、スティーヴン・ヘンダーソン、ニック・オファーマン、ソノヤ・ミズノ、ジェシー・プレモンスが出演。

 

・2024年10月4日(金)より、TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー!【PG12】

・上映時間:109分

・配給:ハピネットファントム・スタジオ

【スタッフ】

監督・脚本:アレックス・ガーランド

【キャスト】

キルスティン・ダンスト、ケイリー・スピーニー、ヴァグネル・モウラ、スティーヴン・ヘンダーソン、ニック・オファーマン、ソノヤ・ミズノ、ジェシー・プレモンス

原題:Civil War/製作国:イギリス、アメリカ/製作年:2024年

公式HP: https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/

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1 件の返信 (新着順)
そぜシネマ
2024/10/10 19:33

いまから観てきます!終わったら拝見しますね♪