素人映像っぽい荒々しさが生々しい怖さ『V/H/S シンドローム』
※9月13日から公開のマット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット監督作品『アビゲイル』にあわせて、マット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット監督の過去作品のレビューをUPしました。尚、文章は公開当時のものを一部加筆・訂正したものです。
■V/H/S シンドローム
《作品データ》
6人の新世代ホラー監督が集結し、多彩な映像表現で描くファウンド・フッテージ・ホラーのオムニバス! ある屋敷に不法侵入した若者たちがそこに置かれたVHSテープを1本1本再生していくというスタイルで様々な恐怖エピソードが描き出される。製作には世界No.1nのホラー映画サイト「Bloody Disgusting」が参加した。監督は『キャビン・フィーバー2』のタイ・ウェスト、『地球最後の男たち THE SIGNAL』のデヴィッド・ブルックナーほか、アダム・ウィンガード、グレン・マクエイド、ジョー・スワンバーグ、レイディオ・サイレンス。
・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー中! 【R18+】
・公式HP: http://vhs-horrormovie.com/
・公式facebook:https://www.facebook.com/VHShorrormovie
《『V/H/Sシンドローム』レビュー》
一部のB級映画マニアの間でツイッター上にて話題になっていたホラー映画がついに上陸!
短編5作とベースストーリー全編にわたりPOVでのホラーは粗さを利用し怖さは十分である。
自分らでも悪趣味なビデオを撮る不良グループが謎の屋敷にあるVHSの映像を見るがその映像がそれぞれホラー、スプラッター映画となっている。VHS作品含めて全て手持ちのビデオカメラによるPOVで、画面の揺れだけでなく、粗い編集やノイズなどもたくさん入っているが、そこがいかにも素人映像っぽく、生々しさがある。
その生々しいビデオカメラに見えちゃいけない物が映るだけで観る側に十分な怖さを与えてくれ、どのエピソードも形を変えながら怖さを楽しめる。中でもパソコンのSkypeを使ったエピソードは秀逸かつ斬新だった。
けど、全てのエピソードに共通して怖さに持ち込むまでのドラマが弱い。これ、長編だったら『パラノーマル・アクティビティ』みたいに悪い間延びと虚仮威しな怖さのホラー作品になっていたかもしれないが、短編オムニバスというのが幸いし、展開も早いので、虚仮威しな怖さでも怖さが生きている。
わざとやっている粗さを抜きにしても全体的に脚本が粗削りではあるが、