「M3GAN ミーガン」と、AI友達ロボット暴走!の映画たち
自律的に思考し、学習して成長する最新型のAIロボット、ミーガン。
両親を亡くした少女ケイティの「友達」としてプログラムされたミーガンは、ケイティを守ろうとするあまり、やがて過激な行動に出ていきます…。
最初は愛らしい友達ロボットが、徐々に恐ろしい殺戮マシンと化していく恐怖。
「ミーガン」はシンプルな筋立てで一直線に突き進む、パワフルなホラー映画です。
ミーガンが魅力的なんですよね。人工的な表情の「不気味の谷」を上手くホラーに活かしてる。
かわいくて強い。そして残酷。機械なのでね。人間の情みたいなものは通じない。
ターミネーターばりに強くてビックリするし、その一方で、ただひたすらにケイティを守ろうとして血みどろになっていくミーガンの姿は、いじらしくさえもあって。
これは久々のホラーヒーロー(ヒロイン)登場と言えるんじゃないでしょうか。シリーズ化の未来が見えます…!
背景にあるのは、AIの急速な発達。
映画では、子育てに苦手意識をもつ主人公がミーガンにケイティを任せっきりにしてしまって、その結果いびつなことになっていく。
chatGPTとか見てても、子供のおもちゃにAIが搭載されて、人間の代わりに子守りを任されるようになっていく…というような未来は、結構早くに実現するんじゃないかと思わされます。
AIを搭載した「友達ロボット」がやがて暴走していく…というプロットは、「ミーガン」以前に先駆者があります。
1988年のホラー古典をリメイクした2019年の「チャイルド・プレイ」。
おなじみのチャッキーは、それまでのシリーズでは呪いの人形でしたが、本作ではAIを搭載した最新型のハイテク・トイになっています。
少年のバディとして設定されたチャッキーが、どこまでも少年を守るため、邪魔者を排除していく…。ほぼ、「ミーガン」と一緒ですね。
本作では、チャッキーの声を「スター・ウォーズ」のルークでおなじみマーク・ハミルがやってる。その怪演も見ものです。
少女の外見をしたAI搭載ロボットという点では、2021年公開のアニメ映画「アイの歌声を聴かせて」があります。
ロボットであることを伏せて高校に転入してきたAIロボット・シオンが、主人公サトミの幸せをどこまでも追求しようとして、様々な騒ぎが起こっていく。
筋立てだけ見ると「ミーガン」と同じなんですけどね。こちらは一切怖くない、恋と友情の感動物語になっています。
同じ題材を扱いながら、この違い。対照的で面白い作品です。