今さら2024年 年間BEST映画
2024年も、いい映画と出会えました。
年末からだいぶ経ってしまっての投稿お許しください💦
昨年は、月におよそ2〜3回は映画館へ足を運ぶことができました。
上半期鑑賞記事は→こちら
そして、下半期鑑賞メモはこちらです👇

下半期は仕事が忙しくなりすぎて、泣く泣く見送った作品も多数ありました…リバイバル公開で、未見だった『ゴッドファーザー』をスクリーンで観れて贅沢な時間を味わえたのはうれしかったです。
前置きが長くなりましたがここからは、2024年公開作品のうち、年間MY BESTを10本選ばせていただきました。
10.ラストマイル
9.パスト ライブス/再会
8.マッドマックス:フュリオサ
7.哀れなるものたち
6.コット、はじまりの夏
5.ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
4.大きな家
3.ぼくのお日さま
2.夜明けのすべて
1.ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
ラストマイル
日本/128分

幾度も人気ドラマを手がけている野木亜紀子脚本×塚原あゆ子監督のタッグが送る社会派クライムサスペンス。巨大ショッピングサイトの物流施設から爆発物が出荷された事を発端に、日本を震撼させる連続爆発事件の収拾に奔走する人々の姿を追った作品。
シェアードユニバースと銘打った、過去のドラマ『アンナチュラル』『MIU404』と地続きの世界線。2作品とも犯罪捜査に関わる内容なので、プロットへ違和感なくスッと馴染ませられるのが実に巧みです。登場のさせ方も憎い!ドラマでお馴染みのSEで登場を匂わせたり、ドラマからの連続性も感じさせる立場で人物を配置していたり、すごく練られている印象。上記の作品に愛着があればあるほど楽しめる仕様です。しかも、大げさじゃないのもいい塩梅です。映画を観る前にドラマの予習をする時期も合わせて、楽しむ事ができました。
そんなエンタメ性も確保しつつ、日本社会における肥大化したニーズ、それに応える大企業の功罪や、裏に潜む暗い部分も描き出し、問題を投げかける社会派な一面もあり、思いを巡らせること間違いなし。
働く現代人、誰しもに何か響くものがありそうで、今作られるべき傑作になってたように感じました。
パスト ライブス/再会
アメリカ・韓国/106分

初恋同士の男女が24年ぶりに再会する様子を、静謐で情感たっぷりに描くラブロマンスもの。再会シーンの2人の笑顔の表情はとても嬉しそうな様子が印象的なシーンでした。2人が過ごすNYの街並みが丁寧に撮られていて見惚れてしまうほどです。
A24作品らしいお洒落な空気感がたっぷり。また、監督自身のパーソナルな部分も表現されていたようでして、監督の半自伝的な作品として『レディバード』『aftersun』『mid90s』も傑作だったように、本作も同様な輝きを放っていると感じられます。
マッドマックス:フュリオサ
オーストラリア/アメリカ/148分

上半期マイベストにもあげた作品です。
今年の続編もの洋画の中では抜きん出たエネルギーがありました。
フュリオサのライフルを構える眼光がかっこよかったです。
上半期記事は→こちら
哀れなるものたち
イギリス/141分

当作も上半期にあげたベスト映画です。
ランティモス監督の癖の強さ、ブラックなエログロの要素を出しつつも、ベラという1人の女性の成長譚として、まとめ上げた力量が圧巻でした。万人には薦められないのは少し困っちゃう部分です😅
上半期の記事は→こちら

コット、はじまりの夏
アイルランド/95分
またまた上半期のベストにあげていた映画です。9歳の少女の夏のショートステイの日々が丁寧に描かれます。アイルランドの古き良き民家での暮らしの中で新しい自分を見つけていく少女と親戚夫婦の交流に心洗われます。エンディングの余韻がすごいです。
上半期の記事は→こちら
ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ
日本/112分

待ちに待った待望すぎる続編です。舞台を宮崎に移し、前作よりアクションのスケールがアップして、広い空間をうまく使ったアクロバティックで迫力あるかっこいいアクションシークエンスが満載。そして、今作一番の魅力は、最恐の敵として立ち塞がる、池松壮亮演じる地元の野良の殺し屋の存在。名実ともに日本映画界に欠かせない存在となった彼の繊細な演技で、純粋でコミュ障っぽい孤独な男を表現しつつ、バキバキの肉体を魅せる凶暴なアクションを披露し、主役2人を完全に喰う勢いでした。
期待値が高かったのに、軽やかにそれを飛び越えてその先を見せてくれた痛快作でした。
大きな家
日本/123分

とある普通の中学二年生のクラス全員に密着し、ドキュメンタリーとして綴って話題になった映画『14歳の栞』の竹林亮監督の最新作。
今回はとある児童養護施設の子供達と、職員さんの日常へ密着します。
映画の基礎的なフォーマットは、14歳の栞と似通っていますが、本作は日常風景にまで迫るため更にパーソナルに。
モンタージュのような映像たちと、エピソードに分けて視点を変えて多角的に出来事を追う『編集』された面と、その逆に撮られている出演者達の自然体な佇まい、言動等、『実際的』な面との双方が無理なく溶け合い、類を見ないドキュメンタリーとなっていると思います。
子供達は、時折ハッとさせられるような大人びた言葉を話したりする。
気づきをもらえたり、自分を省みたりできることもあるかもしれません。
できるだけ多くの方に、この作品を映画館で体感してほしいと思いました。
ぼくのお日さま
日本/90分

真っ白な雪景色眩しい地方の町で
スケートを通じて心を通わすひと冬の物語。
美しく切りとられた情景がたまらなく素敵でした。全場面スチールにしたいくらいベタ褒めなわけです。光の色合いや光量もひたすら良かったです。
映画のテンポは淡々と、たっぷり間を空けた静謐な展開が、奥手でシャイな雰囲気の主要人物達にフィットしていて好印象でした。
とあるシークエンスは、映像美と音楽が劇中の人物たちとマッチしているようで、多幸感半端じゃなかった。あまりにも素晴らしくて、悲しくもないのに、なぜか泣けてきてしまいました。目の筋肉もバカになってきているのでしょう。
当作で本格的に商業映画に乗り込んできたという、奥山大史監督はなんと20代とまだまだ若く、監督・脚本・撮影・編集を全て行ったというからおそるべし…

とっても瑞々しい子役達、良い表情を見せていました。写真の2人はスケート経験者ですが、コーチ役の池松壮亮は、役柄で初めてのスケート。劇中でちゃんとコーチに見える滑りの演技をしていて、上述したベビわる最恐の殺し屋から引き続き、身体能力高すぎて、こちらもおそるべし…
当作は11月末ごろに、小規模な劇場にて少し遅れて鑑賞しました。年季が入ってる、でもかかってる映画のセレクトが毎回非常に好きです。季節感が寒さ感じられて良かった感じです。

夜明けのすべて
日本/119分

三宅唱監督が前作『ケイコ、目を澄ませて』に続けて送る本作。生きづらさを抱えながら暮らす人々の日常を、ほどよい温度感で描いています。人と人との繋がりが積み重ねられていく様子に心温まる傑作でした。
こちらの作品は上半期マイベストでした。
上半期記事は→こちら
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
アメリカ/133分

全寮制の学校の冬季休暇。学校へ置いてけぼりにされた偏屈教師ハナム、反抗的な生徒アンガス、戦争で息子を失った料理長メアリーの3人が織りなす奇妙な休暇の日々。男性陣2人はほとんど爪弾き者みたいな感じで、不機嫌に、お互い歪みあっている。そこを間で上手く立ち回ってフォローをする気立ての良い料理長のメアリーがとてもいい味を出しています。三者三様の、悩みをさらけ出す事で、しがらみが次第にほどけていく様子が、温かな視線で描かれていきます。
70年代が舞台であり、作風もその当時のフィルム映像の手触りとなっていて、味わい深いのですが、決して懐古主義だけな映画にはなっていないと思います。
劇中で浮かび上がる問題は、中年の孤独、メンタル疾患、親子の確執、戦争遺族…などと実は現代でも置き換えできそうなテーマもはらんでいて、それぞれへの向き合い方、立ち向かっていく姿勢を、作品から感じられて勇気づけられる気がしました。
この映画の人懐っこい温度感が好きで、名作と箔押しされたような雰囲気があまりない。でもこの先ほそく長く、評価が熟成されていくような傑作のように思えました。
劇場で鑑賞を逃した事が悔しくてたまりません💦自宅鑑賞作でしたが、マイベストに選出させてもらいます。
2024年改めて振り返ると、日本映画が豊作でしたね。
劇場で見逃した『悪は存在しない』『あんのこと』『ナミビアの砂漠』『SUPER HAPPY FOREVER』『ルックバック』『ミッシング』『HAPPYEND』『AT THE BENCH』…見逃した作品多々ありました。じゅんぐり観ていこかなと思います。
いつも、長々とおそれいります。
2025年もよろしくお願いします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。