【ネタバレ・考察】あの意味に気が付いた?『はたらく細胞』超緻密にこだわったメッセージ
シリーズ累計1,000万部突破のメガヒットシリーズを実写映画化した『はたらく細胞』の試写に招待いただき、鑑賞させていただきました。ノリとテンションで痛快に駆け抜ける作品と思う勿れ、予告編以上を遥かに上回る”こだわり”と”感情揺さぶる”作品。そこだけではなく、サラッと見ていては見逃してしまうメッセージに気がついてこそ、最大限に楽しめる作品になっている。
以下、ネタバレ・考察を含みます。
【目次】
<初級編>建物の看板はみんな笑っちゃう
<中級編>主人公2人(1146/RB2525/WBC)の番号や装飾について
<上級編>これに気が付いたら、細胞級!!(5648/BL5989)
■作品概要
永野芽郁=赤血球・佐藤健=白血球(好中球)のW主演に加え、人間の親子役で芦田愛菜・阿部サダヲ、そして山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、板垣李光人、加藤諒、加藤清史郎、マイカピュ、深田恭子、片岡愛之助、新納慎也、小沢真珠、Fukase(SEKAI NO OWARI)らの出演が続々決定!監督は屈指のヒットメーカー武内英樹(『翔んで埼玉』『テルマエ・ロマエ』)。アクション演出は大内貴仁(『るろうに剣心』『幽☆遊☆白書』)、主題歌はOfficial髭男dismの「50%」に決定!日本エンタメ界を代表するドリームチームが、誰も見たことのない独創的でユニークな世界を作り上げる。映画館だからこそ楽しめる唯一無二の映像体験。この冬、細胞たちが、はたらきます!
■あらすじ
人間の体内の細胞、その数なんと37兆個。酸素を運ぶ赤血球、細菌と戦う白血球、そのほか無数の細胞たちが、あなたの健康と命を守るために日夜全力ではたらいているのだ。高校生・漆崎日胡うるしざきにこ(芦田愛菜)は、父親の茂しげる(阿部サダヲ)と二人暮らし。まじめな性格で健康的な生活習慣の日胡の体内の細胞たちは、いつも楽しくはたらいている。一方、不規則不摂生に日々を過ごす茂の体内では、ブラックな労働環境に疲れ果てた細胞たちがいつも文句を言っている。親子でも体の中はえらい違いだった。仲良し親子のにぎやかな日常。しかし、その体内への侵入を狙う病原体たちが動き始める…。漆崎親子の未来をかけた、細胞たちの「体内史上最大の戦い」が幕を開ける!?
<初級編>建物の看板はみんな笑っちゃう
本作の監督は武内英樹監督で、『翔んで埼玉』『テルマエ・ロマエ』を手掛けた名監督。そんな『翔んで埼玉2~琵琶湖より愛をこめて~』では劇中に様々な仕掛けがあったことはご存じだろうか。その土地に住んでいないと分かり得ない店名や地名、芸人やシンボルなどを巧みにチラつかせているが、本作もその流派が受け継がれている。体内に出てくる案内版や道、壁などあらゆるところに「さすが」と言わんばかりに仕掛けられているので、1秒足りとも油断禁物。
血小板の画像から分かる通り、ふくらはぎの近くにいるから”ヒラメ筋”という看板が立っていたり、脛(スネ)の近くにいるから”弁慶の泣き所”という表札があったり、シーンの登場人物から目を反らしてしまうほど気になる文字が何ともおもしろいところだ。
個人的に好きだったのは父親の茂しげる(阿部サダヲ)の体内の看板だ。もはや体内や細胞に関係のない関連ワードが多く見受けられ、大衆食堂と掛けて”体臭食堂”。次郎系と掛けて”痔ろう系”などインパクトのあるワードが大きい文字で目に飛び込んでくる。純喫茶”メタボ”なんかも、ありそうでない秀逸なワードと言える。まずは初見として、目に飛び込んで気が付きやすい、わかりやすい面白さを楽しんでもらいたい。
<中級編>主人公2人の番号や装飾について
まずはこの画像から。最初、赤血球役の永野芽郁が登場したときは「AE3803」。この識別番号については調べに調べても何も意味が出てこないため、理解不能だ。赤芽球は英語でErythroblastとなるため、ヒントにはなりそうだがそれ以上の発展が見込めない。しかし、新米の赤血球から様々な役割を経て、終盤には「RB2525」に変わっている。(上部添付画像)これはあくまで考察だが、「Red Blood 日胡日胡(赤血球2525)」という変化を遂げていると推察できる。
また白血球役の佐藤健については、腕につけたワッペン「WBC」や帽子の番号「1146」は分かりやすい。「White Blood Cell(WBC)」と「良い白(1146)」と読み取れる。(あくまで推察だが)このような仕掛けにたちまち気づいたときには、その他の細胞の番号と関係性を読みたくなってしまうのもまた一興である。また、「悪い白」が出てくる伏線としても捉えられる。このアンサーが合っているかどうかは不明だが、「確かに・・・」と言いたくなるのは上級編を読んでみて欲しい。
<上級編>これに気が付いたら、細胞級!!
本作の主要登場人物は非常に多く、前述で述べたように看板や装飾、番号などのこだわりも多数含まれる。そこで気が付いた他3名についても考察しよう。
まずはキラーT細胞役の山本耕史。彼の場合は「KILL」と分かりやすい帽子をかぶっているが、実は彼の腰当たりだったか、番号がチラホラ見えるシーンがある。その番号は「5648=殺し屋」だ。この番号の意味は一発で読み解け、読み解けたあとの達成感がすごい。もうこの時点で「もう一回観に行こうかな・・・」と思ってくれる人がいたなら、嬉しい限りだ。
次に先輩赤血球役の加藤諒。彼は後輩赤血球役の板垣李光人を最初は牽引しつつ、強がっていた風にも見えたが、後半になるにつれて別の人格を見せる。そこで、彼の番号はこれだ、「BL5989=Boys Love 告白」。もうこれは確信的に仕込まれた番号であることが明白だ。登場した最初は理解できなかったが、物語が進むにつれて「そういうことか!!」と心の中で叫んでいたことは言うまでもない。
■出演
監督:武内秀樹
原作:清水茜『はたらく細胞』(講談社『月刊少年シリウス』所載)
原田重光『はたらく細胞BLACK』初嘉屋一生『はたらく細胞BLACK』
脚本:徳永友一
音楽:Face 2 fAKE
主題歌:Official髭男dism『50%』
出演: 永野芽郁 佐藤健
芦田愛菜 山本耕史 仲里依紗 松本若菜 染谷将太
板垣李光人 加藤諒 加藤清史郎 マイカピュ
深田恭子 / 片岡愛之助
新納慎也 小沢真珠 鶴見辰吾 光石研
Fukase(SEKAI NO OWARI) / 阿部サダヲ
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式ホームページ:https://wwws.warnerbros.co.jp/saibou-movie/main.html
予告編:
12月13日(金) 公開!