続編の宿命
24年を経て待望の続編!
監督:リドリースコット
時間:148分
映倫区分:R15
頓挫を乗り越えての続編
前作から20年余りのちのローマ帝国を描いた今作。実際の映画も24年ぶり。これは前作を手がけたドリームワークス・ピクチャーズが経営難のため権利をパラマウント・ピクチャーズに売却したことで、この企画は長らく頓挫していた為、長らく続編が作られなかった理由だ。
しかし、その甲斐あってかラッセルクロウが、生き返ってまた始まるような続編にならず、マキシマムの息子が継承していく作品となった訳だ。
大筋は前作と同様
ローマ軍が北アフリカに攻めてきた。妻と一緒に戦うハンノ(ポールメスカル)はここで妻や仲間を失い、復讐に燃える奴隷となる。面白い闘い方をすると目を付けたのは、奴隷商人マクリヌス(デンゼルワシントン)ローマではアホな双子のカラカラ(フレッド・ヘッキンジャー)とゲタ(ジョセフ・クイン、凄く良かった!)が皇帝となり、市民の事などお構いなしにコロシアムで殺し合いを楽しんでいた。ストーリー展開はほとんど前作と変わりなく。じゃあ一体何を描きたかったかと言えば、間違いなくポールメスカルの太もも。いや、マキシマスの息子のお話。
今回の見どころはポールメスカル
ならぬ、デンゼルワシントン
前作が大傑作過ぎると、中々続編というのは難しい。そんな事はリドリー・スコット監督だってわかっちゃいたはず。だが、どうしてもあのマキシマスのような問答無用の強さとカリスマは、ハンノ(ルシアス)には出せていない。そこを何とか食い留めたのは、間違いなく奴隷商人マクリヌス役のデンゼルワシントン。
冷酷無比で策士。成り上がりたくて仕方がない。いつも後ろから冷静沈着に、事の成り行きを見てニヤニヤワシントン。もう彼にしか出せないキャラクターなのは間違いない。また、本来であればこの政治を引っ掻き回すであろう双子の皇帝達だが、このデンゼルワシントンのヴィランの圧には勝てないのであった。
最後に込められたメッセージ
でも最後にハンノ改めてルシアスが、兵士達に言う『我々は死を見過ぎた』の言葉は現代にも通じるメッセージで、非常に感動した。きっとリドリースコットが今言いたい事、というのがビシバシ響いた。双子がそもそもあんなんで何故皇帝になれたんだ、というのは最大の謎。