7/19公開 アラン・タネール監督作品「白い町で」 40代のブルーノ・ガンツ!
♠ブルーノ・ガンツ(Bruno Ganz)(1941.3-2019.2)
スイス出身の名優で、最近まで活躍していたブルーノ・ガンツは、特に70年、80年代の作品がみずみずしく素敵である。「ベルリン・天使の詩 」(1987)では主演として知られる様になったが、その少し前の作品にみる価値があるものが多いと思う。
テオ・アンゲロプロス作品の中で一番気に入っている作品の「永遠と一日 」(1998)は、老詩人を演じており、なかなか渋いのだが、こちらについては別の機会にご紹介したい。
◆アラン・タネール監督作品
「白い町で(Dans la ville blanche)」(1983)で主演。7/19 4Kレストア版公開予定。

◆アラン・タネールとは
ダニエル・シュミット、フレディ・M・ムーラーと並びスイス映画界を代表する映画作家。
1960 年代末から70 年代にかけて、多言語が交錯し多様な文化を有するスイスに「ヌーヴォー・シネマ・スイス」と呼ばれる新たな映画の潮流をもたらし、ヨーロッパをはじめ世界の映画史の変革をもたらした。ゴダールやトリュフォーなど仏ヌーヴェル・ヴァーグ作家と同世代のタネールは、ロンドンで「ブリティッシュ・ニューウェーブ」、そしてパリで「ヌーヴェル・ヴァーグ」など新時代の映画運動に強烈な刺激を受け映画製作を開始していた。
◆「白い町で」の概要
貨物船の機関員ポール(ブルーノ・ガンツ)は寄港先のリスボンに降り立つ。眼に眩しい白い町は彼には蜃気楼のように感じられる。スイスに残してきた妻エルザにその印象を書き送り、8mmを回す映像書簡を記し続ける。ふらりと寄ったバーのウェイトレス、ローザと出会い、親密な関係となるが、妻の嫉妬は海を越える……。
本作は、1983年にセザール賞のフランス語作品賞を受賞している。
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❤ブルーノ・ガンツの存在感
ピカピカ光るタイプではなく、いぶし銀の様な鈍い輝きがあるのが魅力かと思う。
父親はドイツ系スイス人、母親はイタリア人だが、本人はチューリッヒ出身のスイス人になる。晩年の作品「ヒトラー 〜最期の12日間〜」(2004)では、ヒトラーを演じたスイス人とされる。
◆◆主な70年代の作品
◆「リュミエール(Lumiere)」(1976)
大女優ジャンヌ・モロー監督作品に出演している。4人の女優の欲望と葛藤、そして連帯をあざやかに描いたドラマ。南フランスの別荘へバカンスにやって来たサラ(モロー自身)、ラウラ、ジュリエンヌ、キャロリーヌの世代の異なる4人の女優たち。親密な友情で結ばれた彼女たちは、1年前のパリでの思い出を語り始める。若き監督トマや医師グレゴワールと浮き名を流しながらドイツ人作家ハインリヒへの情熱に生きるサラ・・・・。

◆「アメリカの友人(Der Amerikanische freund)」(1977)
ヴィム・ヴェンダースの作品。パトリシア・ハイスミス原作でトム・リプレーが登場する。パリに行く場面や、(本当に)ジャン・ギャバンがなくなった、パリ郊外ヌイイ市のアメリカン病院迄が登場する。

◆ノスフェラトゥ(Nosferatu) (1978)
ヴェルナー・ヘルツォーク監督の作品。吸血鬼の物語。

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