飛行機墜落パニックと海難パニックを詰め合わせたシチュエーションスリラー『エア・ロック 海底緊急避難所』
■エア・ロック 海底緊急避難所
〈作品データ〉
『海底47m』シリーズの製作を手掛けたアンディ・メイソンが脚本・製作を手掛けたフライトパニック&シチュエーションスリラー映画!州知事の娘のエヴァは友人のカイルとジェドと一緒に南国メキシコのリゾート地・カボに卒業旅行へ行くが、州知事の父の命令で父の部下のブランドンがボディガードとして同行していた。一行は飛行機に搭乗するが、フライトしてからしばらくすると、エンジントラブルから機体は高度2万メートルから海底へと墜落することに。主人公エヴァ役を出演ソフィー・マッキントッシュが演じ、他ウィル・アッテンボロー、ジェレミアス・アムーア、マヌエル・パシフィック、グレース・ネトル、ジェームズ・キャロル・ジョーダン、フィリス・ローガン、コルム・ミーニイが出演。
・8月16日(金)より新宿ピカデリー他全国ロードショー
・上映時間:91分
・配給:ギャガ
【スタッフ】
監督:クラウディオ・ファエ/脚本・製作:アンディ・メイソン
【キャスト】
ソフィー・マッキントッシュ、ウィル・アッテンボロー、ジェレミアス・アムーア、マヌエル・パシフィック、グレース・ネトル、ジェームズ・キャロル・ジョーダン、フィリス・ローガン、コルム・ミーニイ
原題:No Way Up/製作国:イギリス/製作年:2024年
公式HP:https://gaga.ne.jp/airlock/
〈『エア・ロック 海底緊急避難所』レビュー〉
フライヤーを見た様子では新たなる海難パニック映画かなというぐらいで見てみた『エア・ロック 海底緊急避難所』。前半のフライトパニックシーンから海底に沈みゆく機体内でのサバイバル&シチュエーションスリラーへ移りゆく展開が素早く、
見事なフライトパニック&サバイバル&シチュエーションスリラーに仕上がっている。
とにかく中盤まではストーリー展開のテンポがいい。主人公のお目付役になるブランドンの過去回想込みの悪夢から始まり、序盤の空港内での乗客となる各搭乗人物のやり取り、搭乗してからのCAを交えたちょっとしたシーンを挟み、フライト直後の機体の異状からのフライトパニックのシーンがまず凄まじく、落ち着く間もなく海底に墜落し、奇跡的に生存出来る空間が発生した部分でのサバイバル&シチュエーションスリラーへと息を付く間もなく様変わりする。映画を見ている観客に考える暇を一切与えないジェットコースターに乗っているかのような展開はお見事である。
またこの惨事と同様の経験をしている主人公のお目付役をその状況に陥ったことを生存者と映画を見ている観客への説明者として巧みに使ったり、乗客の中に看護師経験者や救難救助の訓練を受けてるCAがいることで理にかなった形で物事が進むのでサバイバルとシチュエーションスリラーとして面白く仕上がっている。また、こうした登場人物の中でエヴァの友人のカイルとジェドのような少々ヤンチャそうなボンクラがいることと程よくトラブルがあることでストーリーにアクセントを付けており、絶妙な脚本と言えよう。
後半若干ゆったりした展開になるのと、呆気ないラストは惜しい。それでも『海底47m』とはまた違った海底シチュエーションスリラーには違いないし、リアルな状況変化と絶妙な登場人物設定で楽しめるパニック&スリラー映画である。