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私の好きな映画

U子
2024/10/10 19:48

それは今日起こるかもしれない…アメリカ史上最大の悪夢『シビル・ウォー』

(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

もし今、アメリカが2つに分断され、内戦が起きたら…
A24史上最大の製作費で贈る、ディストピア・アクション!!

 

【CIVIL WAR アメリカ最後の日】

PG-12-2024年10月4日公開-109分-サスペンス/アクション/SF-ハピネットファントム・スタジオ

 

〜story〜

戦場カメラマンのリーをはじめとする3人のジャーナリストと若い写真家ジェシーは、14カ月にわたって一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出る。彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていく。(allcinemaより引用)

出演

 

キルステン・ダンスト

リー・スミス

 

ワグネル・モウラ

ジョエル

 

ケイリー・スピーニー

ジェシー・カレン

 

スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン

サミー

 

ソノヤ・ミズノ

アニャ

 

ニック・オファーマン

大統領

話題の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』観てきました!!

 

ホラーやサスペンスが大好きな私としては、A24作品は欠かせない存在なのですが…本作『シビル・ウォー』にはこれまでのA24作品とは毛色の違った意外性を感じており、公開前からとても気になる作品でありました。

 

「シビル・ウォー(Civil War)」とは、辞書では「内戦」と言う意味なのだそうです。 しかしアメリカ人にとっては、この言葉はそのまま「南北戦争」を意味します。歴史における南北戦争とは1860年代に奴隷制を巡り、廃止を求める北部と継続を望む南部の間で4年以上も戦い続けた内戦のこと。戦死者は両軍合わせて62万を数え、アメリカ最大の損害をもたらした戦争なのです。

この物語は、内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカという設定の元に、最前線を取材するジャーナリスト達から見た“戦場で1日を生き延びるということ”のリアルを綴ったモキュメンタリー( mockumentary)です。


(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.
(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

序盤から激しい銃声やミサイルの爆音に体がビクッとなりっぱなしの戦場シーン。

緊迫した空気ながらもキルステン・ダンスト演じる“ベテラン戦場カメラマン”リーの腰の据わった態度とワグネル・モウラ演じる相棒ジョエルのハイテンションな様子を見ていると、だんだんとそのありえない状況に慣れてくるものがあり、気がつけば冷静に人の死を見ている自分がいました。

あまりにも簡単に人が殺されて死体がそこら中にゴロゴロしているので「あれ?人の命ってこんなゴミみたいなものだったっけ??」と頭が混乱してきて「今から殺されるって瞬間に助けもせず写真を撮っている人を見て何を思ったのかな…」「死体の山の上を歩くってどんな感触だろう?」「ミサイルって近くで見るとこんな感じに見えるんだ!」などと、人の死なんかどうでもいいとしか思えないような事を冷静に考えていて、自分でもゾッとしました。

でも戦場にずっといたら、多くの人はこんなふうに倫理観が色々とおかしくなってくるんじゃないのかな…。

劇場で見ているだけの私がこうなるんだから、実際に殺戮しまくっている兵士達はある意味、興奮すら覚えてしまうかもしれないと思いました。

(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.
(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

そんな恐ろしい内戦が行われている中、誰なのかもわからない敵に襲われてゴーストタウン化している場所もあれば、何事もなかった様に商店街が開いていて普通に暮らしている街もありました。さすがアメリカは広いなぁ…と思いつつ、だからこそ差別文化も根深いものがあるのかもしれないとも。

 

そして、本作の真の主役であるジェシー(ケイリー・スピーニー)は言わずとしれた売れっ子女優さんですが、童顔の上に短くカットされた髪型のせいか、まるで10代の様に若く見えました。(23歳の設定、本人は26歳)

少女の様な姿と何もわからないままに飛び出してきてしまった感じの危なっかしい様子が戦場にはまったく似つかわしくないのですが、最初こそ震えて泣いていたものの、絶対に諦めて帰ることはしませんでした。D.C.に向かう旅で様々な恐怖を味わいながらも撮りたいという衝動を抑えられずにカメラマンを続け、場数を踏んで乗り越えていくジェシーの成長ストーリーでもあります。

(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.
(c) 2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY.All Rights Reserved.

そして本作最大の見どころと思われる恐怖シーンが、ジェシー・プレモンス演じる赤メガネの兵士のシーンでした。この赤メガネ…狙撃手の目を守る太陽光線避けなのかなと勝手に想像していたのですが、彼のキャラクターを作るにあたり色々なメガネを試した結果、スタッフみんなで「コレだ!!」と満場一致で決めたのだそうです。

たしかに、あの赤メガネは観客に忘れらないトラウマを植え付けたと思います。

 

近距離で見るリアルな戦闘シーンの数々はまるでゲームの世界の様でしたし、残酷な殺戮が繰り広げられている最中に突如流れる陽気なBGMには不思議な感覚を覚えました。

カラフルな煙幕で色付いた壁に座るジェシーはストリート壁画の様にも見えたりと、A24作品らしい芸術的な美的センスもしっかり感じ取る事ができました。

想像以上に良かったと思います。

ぜひ皆さんに、劇場まで戦争を体験しに行っていただきたいです。

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3 件の返信 (新着順)
じゅーん バッジ画像
2024/10/15 00:25

わぉ!画像が2種類横並びに貼り付いてて、工夫されてるね✨
正に体験型ムービーだったよね。それだけに恐ろしくもあったよね〜💦


U子
2024/10/15 01:07

なんか一枚ずつ貼ってコピーライト入れるのがめんどくさかったw😂😂😂
これは本当に恐ろしくておもしろい作品だった!!!!

椿五十郎 バッジ画像
2024/10/12 11:15

「観たい」をそそらせるコラムをありがとうございます!
本作が戦争をどう描いてるか、てちょっとか気になっていたので、コラム読ませてもらって良かったです俄然見たくなりました


U子
2024/10/12 11:19

ありがとうございます!!
こちらはぜひIMAXかDolbyでご覧いただきたいです✨✨✨
椿さんも、戦場を体験してきてください🔥🔥🔥

じょ〜い小川
2024/10/10 20:18

リアルな内戦の戦場映画で、且つベテランカメラ、ベテランジャーナリスト、老ジャーナリスト、新米カメラマンという4人パーティーでのロードムービーというのがまた良かったですね。
戦場と化したウインターワンダーランドの田舎のテーマパークやジェシー・プレモンスのシーンなどシュールさがあるのもアレックス・ガーランド監督らしいですね。


U子
2024/10/10 20:26

MENの監督さんでしたっけ??
凄かったです!!
現実と非現実が混じった感覚は、やっぱそうなんだなーと思いましたよ!!

じょ〜い小川
2024/10/10 20:29

そう、おじさんが無限ループで生まれるMENの監督です。

大統領の人もトランプっぽいし、生々しい作りなど現実と非現実が入り混じってましたね。

U子
2024/10/10 20:34

時期も時期だけにw😅💦

じょ〜い小川
2024/10/10 21:07

日本公開はその時期を狙って遅らせたようですね。宣伝の好判断だ。

U子
2024/10/10 21:33

アメリカらしいw😂

じょ〜い小川
2024/10/10 21:39

それにしても、これだけ社会派で戦争(戦場)映画なのに興収ランキングで初登場1位をとれたのは快挙かも。

U子
2024/10/11 09:26

そうなんですね!!
怖かったけど凄い作品でした!!