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新宿西口にいけば思い出す🎵

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この場所を見て「君よ憤怒の河を渉れ」思い出す~♪

新宿駅西口です。奥は小田急百貨店のあった再開発現場。

                1976年製作作品。

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映画は東口から西口へいく線路下のアンダーパス、ここもロケ地でありました。クライマックスシーンがここで撮影されました。

逃亡者、高倉健を追いかける長さん、下川辰平が一般人がいるにもかかわらず拳銃を部ぶっ放す!

逃げ切った高倉健、この西口に行くと逆流する大衆に出くわします。なんと10頭近くの馬が失踪してくるのです。見張っていた刑事たちも群衆の騒ぎで動きがとれません。その騎馬隊を率いるのが中野良子、その馬に高倉健を乗せて非常線を突破。機動隊もこの馬の突進にびびってしまいます。

この場所に馬を走らせたのでした。

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本作は大映を潰した永田雅一が自身のプロダクションを起こし、徳間書店救済による大映復活作品かつ、高倉健さんフリー第一作でありました。バイオレンスとエロスがからみあうハードロマン作家、西村寿行作品の初の映画化。監督が「新幹線大爆破」でその俊英ぶりを発揮した佐藤純彌ってことで大ヒットしたかというとそうでもなかったのでした。

配給が松竹でアクション映画は本流ではなく、こういう大胆な冒険活劇が当時の邦画として、受け入れられなかったと思われます。

佐藤監督の「新幹線大爆破」も同じく邦画に適していないサスペンス巨編でした。その時代で好みのジャンル、傾向があったとも言えます。

佐藤監督ゆえなのでしょうか、日本ではさほど評判にならずとも海外、中国で大ヒットして4億人が見たともいわれております。海外に強い佐藤監督?!これは徳間書店社長が中国で日本映画祭をやり、ただ同然で公開したのでした。ストーリーが無実の罪を背負った主人公がその罪を晴らすことに共感、高倉健そのものに憧憬したようです。また高倉健が中国を訪れたとき、その凛々しさと中国要人がスピーチしているとき、姿勢正しくずっと立っていたのに感動したという話もあります。

 

「新幹線大爆破」のような傑作ではありませんが、新宿のど真ん中で馬を疾走させるトンデモナイ演出を敢行したことに評価します。その一点で本作を見る価値はあります。一説では警察無許可のゲリラ撮影?!と記述もありますが、さすがにそんなことはないやろ~群衆はどうみてもエキストラを動員しており、かなり大規模な撮影です。やはり新宿警察に許可をと取っての撮影でしたが、一頭の馬が逃走したのでした。逃走劇ならではのエピソードです。

 

ただ、このシーン以降、展開がグダグダに。ラストのクライマックスは原作と大幅に変えてしまっております。本作の虜になったジョン・ウーによって再映画化された「マン・ハント」は原作の設定になっておりました。

 

中国人はこの映画を見ただけでなく、この音楽も気に入っており中国人のうちにはこのサントラ盤があって、このスキャットを口ずさめるそうです。音楽は「新幹線大爆破」の青山八郎です。

そのスキャットは
ジャズシンガー・沢田靖司によるもので「孤独の逃亡」というタイトルです。もうひとつのテーマは「白いサスペンス」という「第三の男」をまねたかのような曲で、これはあんまり評判がよくなくなんでこんな醜悪なサウンドをつけたのか、謎です。

海外に強い佐藤監督でした。

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