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私の好きな映画

かずし
2024/03/15 12:20

船上で生まれたピアニストの伝説『海の上のピアニスト』

1998 アメリカ、イタリア 合作
原題 The legend of 1900

監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
音楽 エンニオ・モリコーネ
主演 ティム・ロス

(c)1998 MEDUSA

20年の時を経て完全版が公開


インターナショナル版が日本で公開されたのが1999年。当時は、映画熱もさほど無く、すっかりスルーしていた作品です。

約20数年の時を経て、イタリア国内でのみ公開されていた完全版(170分)が、2020年に日本で公開され、万を期して観に行きました。

歳を重ねて映画の好みも大きく変わり、まさに待ってましたでした。上映時間170分が全く苦にならない内容に感無量。こんな素晴らしい映画を見逃していたのかと悔やまれれる一方、新たなお宝映画と出会た幸せを感じることができました。

インターナショナル版からさらに40分以上の未公開シーンが追加されており、よりイタリアに傾倒した作品となったようです。完全版では、主人公1900の幼少期のシーンが多く追加され、海の上の伝説のピアニストになる経緯がより克明に描かれているとのこと。

私はインターナショナル版は未見ですので、機会を見つけて観たいと思っています。同じトルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』もインターナショナル版公開後、2年後に約3時間の完全版が公開されました。こちらに関しては、個人的にはインターナショナル版の方が圧倒的に良いと感じています。

  インターナショナル版『ニュー・シネマ・パラダイス』

  完全オリジナル版『ニュー・シネマ・パラダイス』


1900と名付けられた子供


1900年という西暦の変わり目。

大西洋のヨーロッパとアメリカを結ぶ巨大客船ヴァージニアン号で産まれ、ピアノの上のレモン箱に捨てられていた赤ちゃんを機関員が見つけ、油まみれの機関室で育てられる。

その名もT・D・レモン・1900(ナインティーン・ハンドレッド) !※以降、『1900』と呼びます。

レモン箱と激動の時代に産まれたことでつけられた名前がなんともユニーク。

そんな1900が、いつしかピアノを覚え、天才ピアニスト奏者として名を馳せ、大人になっても船から降りたこともないし地上を知らない。

(c)1998 MEDUSA

数々の名シーンと1900が人生で唯一恋をした女性


この映画には、愛すべき名シーンが多々でてきます。

・親友マックスのトランペット演奏
・嵐の夜、ダンスホールでの車輪止めを外したピアノ演奏
・JAZZの生みの親と1900のピアノ対決
etc

(c)1998 MEDUSA

その中でも、物語の中盤、船内で1900のピアノの演奏をレコードに録音中に、窓越しで見かけた名も分からない女性。1900は、彼女に生涯一度の恋をするわけですが、そのシーンがとても美しく、まさに、この映画の象徴的なシークエンスとなるわけです。

そこで流れるエンニオ・モリコーネの『playing love』(愛を奏でて)が名曲中の名曲。1900が彼女を見て即興で作った曲ですね。

 

『playing love』演奏シーン

今も女優として活躍されているメラニー・ティエリーさんが、演じてるわけですが、1900だけでなく観客である自分も息を飲むほどの美しさでした。

(c)1998 MEDUSA

一枚のレコードに秘められた想い


一枚のレコードに秘められた、たった一度の恋。

このたった一度の恋で、1900はついに船を降りて地上へ、彼女に会いに行く決意をするのですが。。

その後、ミステリアス かつ 衝撃のエンディングへ進みます。

このレコードが、終盤のこれでもかというぐらいの涙の源泉になります。

エンニオ・モリコーネさんのスコアが素晴らしいので助長されたのもあると思いますが、生涯を船で暮らしてきた1900の切なさと儚さにもう完璧にしてやられてしまいました。 


忘れられない言葉


名言もたくさん出てきます。

そのなかでも、1900の親友でありトランペッター(コーン吹き)のマックス・トゥーニーの言葉。

『面白い物語があって、聞いてくれる人がいる限り、人生は悪くない』

そう、映画に置き換えても同じかと。
『面白い映画があって、聞いてくれる人がいる限り、人生は悪くない』

世の中にはこんな良い映画があるんだということを映画好きの方に伝えていき、1人でも多くの人が観て共感してくれれば、人生悪くないもんだ!と感じる事ができるのではないでしょうか。⁡


映画予告編



複数あるバージョン 


完全版は、ツタヤディスカスではレンタル無いようですが、UNEXTで配信されています。

https://video.unext.jp/title/SID0055734

 

本作の完全版以外に以下2つのバージョンがあります。

『海の上のピアニスト』 125分(インターナショナル版)

『海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版』 121分
⁡ こちらはレンタル、配信とも無いようです。

 

インスタアカウントもありますので、よろしければ覗いてみてみてください。→ 🐶

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2 件の返信 (新着順)
はじめ バッジ画像
2024/03/18 11:09

この作品は僕も知らなくて、Instagramのフォロワーさんから教えて頂いた作品で
DVDを取り寄せた作品でした。
ストーリーの深みと、曲とのマッチングが素晴らしいこの世代の映画はやっぱりいつ観ても朽ちないですね✨


かずし
2024/03/18 23:37

はじめさんありがとうございます😉映画の深みとそれを補う音楽の素晴らしさ。これぞ映画ですよね🚢映画館の大スクリーンでまた観たい作品です。

そぜシネマ
2024/03/15 16:24

めちゃくちゃ大好きな作品です。
船と共に生きる人生で目まぐるしい出会いが切ないですよね。

ティムロスとプルイットテイラーのコンビ最高でしたね。サントラもしばらくヘビロテしてました。リマスター版チャンスあれば観たいのですが。


かずし
2024/03/18 23:36

そぜさんありがとうございます。ここのコラムでも1900あげてましたね😉船でしか生きなかった激動の人生素晴らしかったです。リマスター4k版を午前十時の映画祭でやってたみたいですね!