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Stella
2024/09/11 18:11

ポランスキーの文芸ロマン ナスターシャ・キンスキーの「テス」

◆ロマン・ポランスキーの映画作品

 学生時代にポーランド映画として鑑賞したロマン・ポランスキー作品の多少の記憶はあるが、おそらく、初めて「テス」を鑑賞した際にナスターシャ・キンスキーの際立った美しさに魅了され、ポランスキー作品と同時に、ナスターシャ・キンスキー作品にも興味をもった。

◆ナスターシャ・キンスキー(1961年1月24日 - )

 旧西ベルリン出身の女優である。スラヴ風の名前の由来については、ロシアの血を1/4持つクォーターのドイツ人とされる。何といっても、イングリッド・バーグマンの顔とブリジット・バルドーの肉体を併せ持つ、新生女優となると目が離せない。

 ヴィム・ベンダース監督の「パリ、テキサス」(1984)は代表作とされている。「哀愁のトロイメライ(Frühlingssinfonie)」(1983)は鑑賞していて、クララ・シューマンを演じていた様だが、その際は主演女優のことをあまり気にしていなかった。

◆「テス(Tess)」(1979)

  ロマン・ポランスキーが監督で、ナスターシャ・キンスキーが主演し、ピーター・ファース やリー・ローソンが出演している。フランス・イギリスの合作映画

  文豪トーマス・ハーディの名作を、ポランスキー監督が映像化した大作の文芸ロマン。19世紀末、英国のドーセット地方の貧農の娘テス(キンスキー)は遠縁のダーバビル家に奉公に出される。その息子(ローソン)にかどわかされ私生児を孕んだ彼女だが、実家に戻って生んだ子はわずか数週間で死んでしまう。後に働きに出た農場で牧師の息子(ファース)と美しい恋に落ち結婚するが、テスの過去を初夜に知った彼はそのまま外国に去っていく。

 流転の人生の果てに再び彼とめぐりあうテスだが、もはや新たな選択は破滅しかなかった。

 ★ 野卑な農婦の中で際立つ清楚さ、キンスキーの美しさが多くを担う作品だが、フィリップ・サルドの美しい音楽ジョフリー・アンスワース&ギスラン・クロケの撮影ともに流麗で甘美である。

◆水水しいシーン

 ダーバビル家に訪れた際に、ハンサムな息子から庭のイチゴを食べさせてもらう時に、はにかみながら食べる姿が素敵で水水しい。<画像がカラーでないのが残念です。>

 また農家で働く娘たちが沼地の水たまりを渡れず躊躇していたところ、牧師の息子に出会い、一人ずつだっこして渡らせてもらうのだが、「君をわたらせたいから、(仕方ないので)3名の娘たちをだっこして渡らせた」と言い切るのも、純愛中の水水しさが感じられた。

 絵になるシーンの一つである。

パンフレットの画像を抜粋
パンフレットの画像を抜粋
パンフレットの画像を抜粋

 ◆撮影風景

 農家の情景は、原作ではイギリスのドーセット地方であるが、ロケ地は、フランスのノルマンディーやブルターニュが選ばれたということで、四季の移り変わりを描くために、8か月間にわたって撮影された様だ。

パンフレットの画像を抜粋

◆最後に・運命に翻弄されるテス

 トーマス・ハーディの小説を理解しているわけではないので、文芸書をもとにした映画は、奥が深いと感じる。ポランスキー監督は、他の「オリバー・ツイスト」等の作品も数多く手掛けているので、少しずつ理解できればと思う。

 テスは、美少女だが魔性の女というより、運命に翻弄されつつも、最後は自分の愛をつらぬくことができた主人公だと思う。美少女という意味では、ナスターシャだからできたので、なかなか誰でも演じられる役柄ではない。

パンフレットの画像を抜粋
パンフレットの画像を抜粋
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1 件の返信 (新着順)
Black Cherry
2024/09/11 20:14

原作のファンです✨ロマン・ポランスキーはわりと原作に忠実に描いていたように記憶しています👍
ナスターシャ・キンスキー、とてつもなく美しくて✨これ以上ないくらいのナイスキャスティングです😊いちごのシーン、本当にみすみずしいですね