どん底から這いあがろうとする姿は素敵だ
皆さんご無沙汰しております、かこです😄
早いもので2023年も残すところあと2ヶ月ですが、間違いなく今年観た映画ベスト10に入る好きな映画を今回はレビューという形で紹介させて頂きます。
ではさっそく!
『トゥ・レスリー』
119分・アメリカ/マイケル・モリス監督
主演/アンドレア・ライズボロー
マーク・マロン
オーウェン・ティ―グ
➖あらすじ✍️➖
シングルマザーのレスリー(アンドレア・ライズボロー)は、宝くじに高額当選するが酒に使い果たし失意のどん底に陥る。行き場を無くしたレスリーは友人のもとへ向かうが見放されてしまう。そんな中、モーテル従業員のスウィーニー(マーク・マロン)に出会う。過去を見つめ直し、母親に失望した息子(オーウェン・ティ―グ)のため人生を立て直すセカンドチャンスに手を伸ばしはじめる。
本作はインディーズ作品。主演のアンドレア・ライズボローのリアルで迫真の演技が評価されて、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ話題になりました。
ニュースなどで "アメリカンドリーム" と謳い宝くじで高額当選した人が、雄叫びをあげて喜ぶシーンや、高額を手にして人生が変わってしまったという事を見聞きしたことがあります。
お金は人生を豊かにするのか?
それとも破壊へと向かわせるのか?
本作の主人公レスリーは後者でした。
レスリーが手にした当選金は19万ドル、日本円で約2,500万円。その大金をお酒で使い果たし当時幼かった息子を置き去りにし、アルコール依存症も患い、彼女は人生のどん底にいた。
【息子ジェームズとの再会】
やがてレスリーは宿代も払えなくなりモーテルを追い出されてしまう。一時的に泊まらせて貰うため疎遠になっていた息子ジェームズと再会する事になったが、アルコール依存症の母親に戸惑いながらも優しく接するジェームズに対し、さもわかったような上辺だけの態度を取ってしまう。
息子の気持ちなど全く考えず、相変わらずお酒に溺れるレスリー。
ついに息子にも愛想をつかれ、つぎは友人夫婦との同居生活が始まる。が、酒浸りのレスリーは見放され完全に居場所を失ってしまった。
【スウィーニーとの出会い】
でもそんな彼女に、救いの手を差し伸べる男性が現れる。モーテルで働くスウィーニーだった。彼は会って間もないレスリーがどんな人物か理解した上で、モーテルの清掃員として雇うこと決めた。
「哀れな成れの果て」
「幸運の訪れに気づかないバカもいる」
とレスリーに対する強烈なセリフが印象的だが全くその通りで、突然目の前に訪れた幸運にレスリーが気付くわけがなかった。
レスリーはスウィーニーも裏切り、お給料を前借りしてお酒に溺れる日々を繰り返す。
でもスウィーニーは何度裏切られてもレスリーの人生を諦めなかった、自分の思いと共に、救いの手を差し伸べるのだった。
そう、スウィーニー達に出会えたことが、レスリーにとっては宝だったのだ。
【自分の気持ちに正直になるレスリー】
私の主観ですが、レスリーの気持ちが前向きに変わったシーンがはっきりとわかった。
もう一人の同僚ロイヤルが、深夜に叫びながら夢中で踊る姿を見るシーンと、酒場で流れる曲の “ここが本当に居たい場所なのか?”という歌詞を聞き入るシーン(この曲の歌詞、今の彼女にピッタリでした😭)
特にロイヤルが踊るシーンはレスリーの目つきが変わったのがわかる。
現実から抜け出したいという正直な気持ちに蓋をしていた事に気づき、自分自身をどこに向かわせるか、レスリーが決めた瞬間だと思った。
決めたレスリーは強かった。そして本気で人生を変えようとする姿には感動!素敵だった。
ここからレスリーがどう変わったのか、息子やスウィーニーとの関係に変化は起きたのか、ぜひ鑑賞して確かめて欲しい作品です。
レスリーを演じたアンドレア・ライズボロー。
化粧なし、髪はボサボサ、お酒を飲む姿はスクリーンからお酒や彼女の人間くささが漂ってきそうで、とにかく圧巻の演技!本当に凄くて、これを観るだけでも価値があります。
ざらついたフィルムの質感もセンス良くて、酒場、音楽、ファッションやカーニバルなど、目を惹くシーンが多いのも私が好きな理由です。
チャンスは困難の中に隠れている。
それに気づけるかどうかで今後の人生が変わる、という事を改めて教えてくれた『トゥ・レスリー』
人の心の温かさも感じられます。
本作は今年6月に公開された作品です。公開初日に鑑賞、とても感動して全部で3回劇場鑑賞致しました。観るたびに発見があって心に響く良作!
まだレンタル開始されていないのですが、開始されたらぜひ、おすすめです。
ということで、毎度のことですが今回も熱く語ってしまいましたね、わたし☺️
いつも読んで頂きありがとうございます😊
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