2025年に観た映画(16) 「知らないカノジョ」

奇しくも同じようなタイミングで公開された「ファーストキス 1ST KISS」と本作。日本人はこの手の作品が好きなんですかね。かく言う私もお気に入りのジャンルです。
リメイク物だと知って観賞意欲が下がっていましたが、結局今頃になって劇場に足を運びました。
気鋭のベストセラー作家(神林リク)を中島健人君が、大人気のシンガーソングライター(前園ミナミ)をmiletさんが演じる本作。当然の事ながらその“本物振り”の差は歴然で、多忙な人気作家という役どころがもうひとつ板に付かない健人様に対し、milet演じるミナミの歌声はストレートに響きます。そして歌手ではなく俳優miletの健気なキャラクターもこの作品の魅力に大きく貢献している。ミナミが救ったのはリクだけじゃないのだ。
思わず苦笑してしまう中身スカスカの劇中劇をはじめとして、そこら中にユルさやツッコミどころを散在させながらも、最後はその出来に帳尻を合わせてしまう。これが商業映画の申し子、三木監督のマジックなのでしょうか。三木作品はこれが3本目ですが、「陽だまりの彼女」は松潤、「坂道のアポロン」は知念侑李君といずれも同じ会社(当時)のタレントが主役を務めている作品ばかり。色眼鏡で見たくもなりますが、私的にはなんだかんだで常に及第点をクリアするような監督さんでもあります。
ひとしきり涙腺も緩んで、やっぱりこの手の作品にとって重要なのは「惜別」「後悔」「喪失感」、つまりは「ロス」なのではないのかとも思ってしまいました。元来ハッピーエンド好きな私ではありますが、それじゃ随分と調子が良すぎやしませんかね?
№16
日付:2025/3/29
タイトル:知らないカノジョ
監督:三木孝浩
劇場名:シネプレックス平塚 screen1
パンフレット:あり(¥990)
評価:5


観てらんない「蒼龍戦記」


桐谷健太氏のお陰でもある
