皆さんの初映画館映画ってなに?? 椿はこれ!【バッチもんか!?金字塔か!?これぞ”和製スターウォーズ!” 『宇宙からのメッセージ』】
皆さんこんにちは!
椿ですっ
さて、突然ですが・・・
皆さんの初劇場体験の映画は何ですか???
映画好きの皆さんが、初めて劇場で観た映画ってものすごく気になります。だって、その人の映画原体験じゃないですか!
もちろん、その後に観た映画、感動した映画によってその後のその人の映画人性は決まっていくのでしょうけど、やはり、最初に映画館で観た映画というのは格別の記憶となって残っていると思いまして・・。
ハイ!
では椿はなにか!?と申しますとめっちゃくちゃ記憶に残っている最初映画、いや、実際には見ていない、いや、見ることができなかった作品が、ジョン・ギラーミン監督の1976年の映画『キング・コング』。
当時は今のように、そこそこ大きな劇場でも座席指定なんてものは無く、全席自由。立ち見もOKだったのですね。で、父親に連れられ劇場に行ったのですが・・
超満員で入られない・・・。
どうあがいたって入れてもらえず、すでに同じように入れなかった人の長蛇の列・・。
父親が、諦めて帰ろう、というのを、アテクシ、大声で泣いて「見たい!見たい!!」したのでありますが、、、、、
結局見ること叶わず・・・。
上野の水族館(かつて、上野に水族館があったのですよっ)に連れて行ってもらうことで、ようやくあきらめることができたという・・・・。
なので、椿の劇場初体験映画はそれから2年後。
1978年となります。
作品は日本の映画。
東映が世界市場に向けて制作したSF超大作!!
『宇宙からのメッセージ』
任侠ヤクザ映画や時代劇でおなじみの東映が、満を持して放ったSF超大作です。
【あらすじ】
アンドロメダ星雲のひとつの惑星、ジルーシア。この星はかつて緑栄え美しい星だったが、星雲を支配するガバナス帝国の侵略により地上では人が住めぬほど荒廃した惑星となり、ガバナスはジルーシアを要塞化。生き残ったジルーシア人はレジスタンスとして闘うがもはや全滅間近。そこで酋長キドはジルーシアに伝わる8個の「リベアの実」を
銀河へ放ち、その実を手にした者こそ「リベアの実」が選んだ、ジルーシアを守護する勇者であるという伝説に従い、孫娘エメラリーダと戦士ウロッコに、英雄探しに向かわせる。
「リベアの実」は、地球から惑星ミラゼリアへ移住していた宇宙暴走族(!)シローとアロン、彼らとつるんでいる宇宙チンピラ(!)のジャック、富豪令嬢のメイア、そして、腐敗した軍に見切りをつけ退役したガルーダ将軍のもとへと届く。彼らはエメラリーダ達と合流。実の意味を知らされた5人は消極的だったり、裏切ったりするものの、「リベアの実」に選ばれた訳を悟り、ジルーシアを守るため立ち上がる。
一方、ガバナス帝国皇帝 ロクセイア12世と大公母ダークは、地球の存在を知り、今まで見たことのない美しい星であるとして、地球に攻撃をかけ、降伏を迫る。危機迫る地球。
果たして、残る3人の勇者を探し出し、ガバナス帝国をせん滅することができるのか!ジルーシアを、地球をガバナスの魔の手から救い出すことができるのか!!様々な困難、裏切りに合いながらも
感動の大団円にむけ人々が闘う!!
『スターウォーズ』に先駆け!?
皆さん、あらすじをご覧いただいて、ワクワクしませんでしたか??
勘の良い方ならお分かりかもしれませんが、本作は滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』がベースの物語。これを、うまくスペースオペラとして翻訳したのが本作となります。
実は本作、日本公開が、スペースオペラの元祖ともいうべき『スターウォーズ』よりも早いのです!つまり、『スターウォーズ』に先駆け、本作が公開された。つまり、元祖は『スターウォーズ』ではなく、本作なのです!!!!!!!!!
と4月1日が過ぎてしまったのに、ウソこきました!!
ごめんなチャイニーズ・・・。
『スターウォーズ』が製作され、全米で公開されたのが1977年。瞬く間に全米を席捲。「ものすごい映画」である『スターウォーズ』の噂は、はるか東洋の国、日本にも早々と届いていたのです。
当時の東映の剛腕社長として知られる 岡田茂は、この噂を早速聞きつけ、「どんな映画か見てこい!」と、かねてから世界市場を意識したSF映画を作ろうとして動かせていたスタッフを渡米させ『スターウォーズ』を鑑賞・調査させたのです。
ちなみに、この岡田社長、アメリカで流行った映画は絶対売れる!という主義の下、様々な便乗作品を生み出しています。例えば、『ジョーズ』のヒットにあやかり、『恐竜怪鳥の伝説』。パニック映画が流行れば『新幹線大爆破』。『エクソシスト』が流行れば『犬神の悪霊』などと言った作品を作っています。いずれも元ネタ映画に比べるとはるかに低予算でチープでしたが、抗うことのできない魅力あふれる作品です。)
世界市場を意識したSF映画の制作は、早くから『仮面ライダー』の石ノ森章太郎も加わって、『ジョーズ』に似たモンスター映画を企画していましたが、『スターウォーズ』を見た脚本家や、特撮監督の矢島信男らが、『スターウォーズ』に大感激し、「うちらも同じスペースオペラを作るぞ!!」とばかりの熱い勢いで、早速、帰りの飛行機の中で構想が練られたといわれています。
そして、岡田社長の大号令のもと、「『スターウォーズ』日本公開より先に公開するぞ!!」の意気込みで1977年冬に撮影が開始され、翌年のゴールデンウィーク公開に向けて作られました。
当時の日本映画としては破格の15億の予算をかけ、東映の撮影所のほとんどを占拠、特殊撮影にかかる技術スタッフもほぼ動員され、当時の東映のテレビでの稼ぎ頭である特撮ヒーローものにも少なからず影響したといいます。
また、当時、世界で3台しかない「シュノーケルカメラ」を使用して、違和感なく実写と特撮を合成できる撮影を取り組むなどして、まさに、東映の社運をかけて制作されたのです。
世界市場を意識!?豪華スタッフ・キャスト
監督は日本のアクション娯楽映画を撮らせれば右に出る者はいない深作欣二。かねてより「宇宙チャンバラ」を撮りたいと思っていた監督にとっては願ってもない企画。前作『柳生一族の陰謀』で培った大作時代劇でのノウハウを、宇宙に置き換えてガッツリと演出。深作組ともいえる、信頼のおける出演者とともに、その世界観は宇宙に行っても健在でした。
ただ、海外出演者への演出はなかなか苦労が絶えなかったようです。過去に『ガンマ第三号 宇宙大作戦』『トラ!トラ!トラ!』等、国際色豊かな作品への演出経験はあるものの、ハリウッドの大物俳優を演出するのは本作が初めての経験だと思われ、なかなか、演出指示がとおらずイライラしたなんてエピソードがあります。しかし、この経験が、後年『復活の日』での、多くのハリウッドスターの演出に行かされていると思います。
本作で出演したハリウッドスターとはビック・モロー。日本でも大人気だったテレビドラマ『コンバット』で主役を演じており、日本での知名度も高い俳優でした。後年はメジャー作品というよりはイタリア合作のB級映画への出演が多く、そういう意味では本作は彼にとって重要な作品であったと言えます。凛々しく、渋いガルーダ将軍は彼の存在感なしには表出しえないキャラクターであり、作品の品が彼の出演によって大きく担保されたといっても過言ではありません。
そのビック・モロー。再起をかけて臨んだスピルバーグ製作のホラーオムニバス『トワイライトゾーン/超次元の体験』の第一話(ジョン・ランディス監督)の主演として出演していましたが、撮影中のヘリコプター事故に巻き込まれ、帰らぬ人となってしまいました。難しい役を存在感こめて演じていただけに、本当に惜しいことをしました・・。
東映アクション作品ですから、もちろんジャパンアクションクラブの主要メンバーも出演しています。国際的に人気の、サニー千葉こと千葉真一、デューク真田こと真田広之、本作では得意のアクションはほぼ封じて、清楚で美しい(いや、本当に美しい💗)エメラリーダを演じた志穂美悦子が出演。相変わらず切れの良い千葉真一、若く甘いマスクの真田広之と、この辺の出演者の当時の芝居を観ているだけでも楽しいです。
またエメラリーダを守る戦士ウロッコ役は、名優 佐藤允。その日本人離れした独特な風貌とアクションから「和製ブロンソン」とも呼ばれていた役者さん。押しが強いながら包み込むような優しさを内包した、日本映画にはなかなかいない、稀有な役者。本当は別の役者がキャスティングされていましたが、変更となりました。
私、本作では、子供心にこのウロッコが一番印象深く残っておりまして、エメラリーダをガバナスに捕らえられ、ガバナス大戦艦に連れ去られる地上で「エメラリーダさまぁぁぁ!!」と叫ぶウロッコのシーンが強く脳裏に残っており、大人になって再見し、このシーンを見たときには、こみあげてくるものがあり、思わず泣いてしまいました。
そして本家『スターウォーズ』同様、本作も悪役が超魅力的。
ガバナス帝国皇帝ロクセイア12世には、個性的な脇役として様々な作品に出演。どんなチョイ役だったとしても、スクリーンに強烈な印象を残す成田三樹夫。『柳生一族の陰謀』で魅せた、武闘派の公家烏丸少将のように、ヤクザ映画のドスの効いた彼ではなく、ちょっと高めの声色を使って、格式のある皇帝役を演じています。そして後半では『柳生~』と同じく、千葉真一と激しい殺陣捌きを見せています。派手な甲冑に身を包み、銀色に肌を塗り、隈取をしたその姿は、歌舞伎の敵役を連想させものすごい存在感。まさに見た目はダースベイダーのようにかっこよく、性格はグランドモフ、ターキン総督のように冷徹で残虐さを兼ね合わせた悪役となりました。
また、その母親 大公母ダークを怪優 天本英世。若いうちから年寄りを演じ、老婆を演じることもたびたびですが、まさに、この役も素晴らしい。ロクセイアを裏で操る妖婆を存在感たっぷりに演じています。椅子に座っているダークは、まさに『スターウォーズ6/ジェダイの復讐(アテクシ80年代のスターウォーズファンとしては、ジェダイの帰還ではなくジェダイの復讐と呼びます!ってか、そこに拘りますっ)で登場した銀河帝国皇帝(ダースシディアス/パルパティーン)を彷彿とさせており、スターウォーズ側が、真似たんじゃね??と秘かに思ったりしています。(飽くまで個人の感想です)
ちなみに『ジェダイの復讐』と言えば、帝国軍が作った「新デススター」を破壊するため、戦闘機が狭い排気口に侵入し、中心部を破壊する、というのは『宇宙からのメッセージ』そのままであり、『スターウォーズ』のSFXスタッフが『宇宙からのメッセージ』撮影現場に見学にきたことなどから、本作を参考にした、と言われています。
妖婆と言えば、地球から惑星ミラゼリアへ移住してきた不気味な老婆役を、やはり名脇役 三谷昇が演じ、印象に強く残らせます。
そして、ガバナスの戦闘員たち。超カッコよく、さすが演じている人達が東映時代劇で鍛えられている大部屋俳優の皆さんなので(もちろん、あの福本清三さんもいます!)動きが機敏で迫力があり、正直、本家『スターウォーズ』のそれよりも勝っていると思います。
アカデミー賞視覚効果賞ノミネート!?
「『宇宙からのメッセージ』は米国アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされました。」
っと聴くと、皆さん、「あれ??」って思いません??
つい最近アカデミー賞視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』が、日本映画で初めて同賞を受賞したニュースは記憶に新しいと思いますが、受賞どころか、ノミネートすら、初めてじゃなかったっけ??
そうなんです。本作がアカデミー賞にノミネートされた、、、という都市伝説は随分と長いこと語り継がれていました。今では間違いであることは周知の事実ですが、当時、いや数十年前まで、そのように記録された本なども普通にありました。
実際は1972年から始まった、SF、ホラー、ファンタジー映画に贈られる賞「サターン賞」の外国語映画部門にノミネートされたのが、いつのまにやらアカデミー賞になっていたというのが真相です。
まぁ、アカデミー賞でないにしても、映画大国アメリカで認められるというのは凄いことです!
海外で記録的大ヒット
と、いうのも、アメリカや世界各国では大変な人気で、カルト化してもいます。
実は、日本映画で初めて、メジャー映画会社により配給されたのです。(ユナイテッドアーティスツ)当時のアメリカでの日本映画最高興行収入は『日本沈没』の100万ドルが最高でしたが、その記録を塗り替え200万ドル以上をあげました。
それは、これまで日本映画というのは芸術性を高く評価された黒澤映画をはじめとした高い評価をええた作品にしても、人気だったゴジラシリーズにしても、メジャーな映画会社での配給ではなかったため、大々的な劇場公開というのはされていなかったのです。本作が「特撮が予想以上に素晴らしい!」ということで。ユナイトが配給したおかげで、全米の大きな映画館で上映されました。また『スターウォーズ』の続編公開前に本作が上映されたことも、『スターウォーズ』続編に飢えていた人々の溜飲を下げる結果となったと言われています。
また本作人気により、テレビの深夜放送やケーブルテレビなどでも盛んに放送され、今でも人気の高い作品となっています。
アメリカの批評家の評判はよろしくないものの、観客の受けは凄まじく、日本オタク文化の研究家として有名なパトリック・マシアスは
「子供の目から見ても狂っていた。宇宙を飛ぶ帆船、ダボシャツにステテコの宇宙チンピラ、顔を銀色に塗った東洋人が演じるガバナス星人。それはSFというより麻薬のバッドトリップのようだった。こいつは『スター・ウォーズ』よりスゲエ! そう思ったのは僕だけじゃない。同じ意見は今でもあちこちで目にする。何がスゴイのか、うまく言えないが『宇宙からのメッセージ』のいかがわしさ、ケバケバしさ、ムチャクチャさに比べると『スター・ウォーズ』は健全で、地味で、保守的にさえ見える」
と評しています。
まさに、本作の本質を見事いい当てている、そう思います。
どんな凄い映画か、お分かりいただけたでしょうか??
こんな作品を子供の時に観てしまって、毒された椿は、以降、こういう作品が大好きになってしまいました!
人によっては「スターウォーズの俗悪な亜流粗悪品」などと言う人もいますが、私に言わせれば
ちっ、わかってねぇなぁ・・・
と思っちゃったりなんかしたりして!
皆さんも、良かったら、あなたに影響を与えたと思われる、初劇場鑑賞映画作品、教えてくださいね!
では、いつもどおり長くなってしまいましたので、この辺で、失礼いたしまするっ。
最後までお読みいただいた皆様、ありがとうございますっ
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投稿を表示椿さん失礼いたします!
凄く読んでて楽しいコラムでした!✨
アカデミー賞視覚効果賞ノミネートしたという都市伝説は昔ならではの出来事何ですかね👀
ちなみに私が初めて映画館で観た映画は『スターウォーズエピソード1』です!
親に連れられ小さかった当時は何がなんやらわからなかったですが、今思い返すとすごく贅沢な映画鑑賞だったと思います笑
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投稿を表示私は初めての映画鑑賞は『E.T』です!
宇宙からのメッセージ、凄いですねー。あそこにデーモン小暮閣下が写っても違和感なさそうですね!
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投稿を表示椿さんならご存知かと思って書きますが、私たぶん「漂流教室」だと思うんですよね...当時は座席の指定とかもなくて、満席でも通路に座って観ることができたり2本立てだったり。
何だか懐かしいです🫣
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投稿を表示僕は『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』だった気がします。洋画はジェームズ・マカヴォイ主演の『WANTED』が一番古い記憶です。その頃はまだ映画に目覚めていなかったので、友達が行くから行くパターンでしたね(笑)
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投稿を表示2002年『ハリー・ポッターと秘密の部屋』が初映画館映画です!
※親曰く。僕も薄ら記憶があるので間違いないかとは思いますが...
当時まだ3歳なのですが、どっぷり魔法ワールドに浸かっていたようです。
日常に映画がある家庭だったので、映画館馴れは一瞬でした(笑)
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投稿を表示当時、私も観ましたよ。タイトルを一般公募したはずです。私も応募しましたが、あえなく没でした。一番の魅力はなんたって悪役 成田三樹夫の存在。ダースベイダーより強烈でした。確か、オープニングで登場する宇宙船が長くてデカい、戦闘シーンもトンネル状の中で展開されていて、本家「スターウォーズ」に勝った!と思った記憶があります。「宇宙暴走族」のメンバーだったと思いますが、プロレスラーのサンダー杉山も出ていましたよね。
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