2024年マイベスト3
ご無沙汰しております。
ゲーム制作が佳境に入ってすっかり投稿できていませんでした。
ようやくリリースの目途がつきましたので今年のまとめとして本記事を投稿させていただきます。
今年は劇場で143本の作品を観ました。
例年150本ぐらいなので少し少ないです。
今年の前半はジョニー・トー作品特集を見る為に方々の劇場に通っていたので劇場に行った回数自体は200回ぐらいなんですけど、それでもやはり少しフットワークが重くなりました。
その143本の中での真のベスト、弩級の作品は実は東京国際映画祭で上映されたもので一般公開は来年なのでこのベスト3には入れません。
それを除いた私にとっての今年のベスト3はこちらになります。
第1位「ソウルの春」
先日韓国で戒厳令が発令されるというこの作品を彷彿とさせる大事件が起きて話題になったのでご存知の方も多いかと思われます。
1979年10月に起きたクーデターをテーマにしたこの作品、なんといっても脚本がうますぎる。
最初は丁半博打のような確度で始まったクーデターが、参画するゲームプレイヤーの日和見によって刻一刻と状況が変化し、オセロの駒がひっくり返されていく様子が見事に表されています。
結構尺は長め(142分)なんですけどそれを感じさせないほど一瞬たりともスクリーンから目が離せない。
チョン・ドゥグァン役を演じたファン・ジョンミンがヘイトを買い過ぎて「人質 韓国トップスター誘拐事件」が再上映されることになったなんて話がありましたが、私は本作で一番「悪」として描かれていたのは覚悟もなく要職にしがみつく為に日和見で動く高官たちだと思います。
チョン・ウソンはこれがベストアクト!
本作品をご覧になると先日の戒厳令の解像度が格段に上がりますのでどうぞご覧ください。
第2位「フォールガイ」
今年は映画製作をテーマにした作品の当たり年でした。本作「フォールガイ」だけでなく、話題になった「侍タイムスリッパー」、圧巻のインド映画「ジガルタンダ・ダブルX」、そしてこれは日本公開されるかどうか分からないんですが是非されて欲しい香港映画「スタントマン(武替道)」(香港映画祭 Making Wavesで上映)、全て映画の力を信じる人たちの映画制作者へのリスペクトが詰まった作品です。
「フォールガイ」は予告編ではお気楽なラブコメアクションに見えちゃうんですが、実は小ネタがみっちり入った傑作です。監督とプロデューサーの仁義なき戦いあるあるとか監督とスタッフの駆け引きあるあるを見せながら、最後は私の大好きなプロフェッショナルたちのチームものになるんです。
ラブコメか~と思ってスルーしていた映画好きの方には是非見ていただきたい作品です。
第3位「コヴェナント/約束の救出」
スタイリッシュなエンタメ作品のイメージが強いガイ・リッチー監督が手掛けたシリアスな社会派サスペンス。これをハリウッドで作ったらこれでもかというような国威発揚系になるんだろうなというテーマを(本作はイギリス・スペイン合作です)、抑えて抑えてしっとり描き、何が一番大切なのかを浮かび上がらせます。
これはオチを知らずに観ていただきたい。最後まで続く緊張感が特級品です。
騙したもん勝ち、搾取したもん勝ちになってる世の中に疲れてる人にはほんとに染みる作品です。そういう意味では今公開中の「市民捜査官ドッキ」に通じるものがあります。
以上、この3本が今年のマイベスト3です。
ちなみに冒頭で書いた私にとっての来年のベストが確約されている作品はこちらになります。1/17公開。お楽しみに!
その他の今年の私のお気に入り作品は以下の通りとなります。
最後に、香港ノワールや韓国ノワールに多数のオマージュを捧げた拙作無料ノベルゲーム「紅蜘蛛外伝:暗花」ですがリリースが12/24に決まりました。
Steam、DLSite、Vector等で配信いたしますので、よろしければご覧ください。
音楽は「エストポリス伝記」シリーズの塩生康範さんと「パズル&ドラゴンズ」の中島享生さんです。