「メイ・ディセンバー ゆれる真実」
ナタリー・ポートマンに会いたくて公開中の「メイ・ディセンバー ゆれる真実(トッド・ヘインズ監督、2023年)」をみてきました。
いわゆる「メイ・ディセンバー事件」のその後として創作された作品です。
《メイ・ディセンバー事件とは》
「May、December」は、なぜか「年の離れたカップル」を意味する言葉らしいですね。「5月と12月」くらい離れている、ということのようです。
この事件のはじまりは1996年、米ワシントン州でのこと。
36歳既婚・女性教師が13歳の少年と恋仲に・・
二人は一線を越えてしまっており、女性教師は児童レイプの罪で逮捕されてしまいます。
逮捕時、彼女は少年の子を妊娠しており、獄中出産→夫と離婚→出所後に少年と再婚という展開で、数年間マスコミを賑わせました。
《ストーリー》
児童レイプ犯として逮捕され服役・獄中出産を経たグレイシー(ジュリアン・ムーア)はその被害者とされたジョー(チャールズ・メントン)と結婚し、平穏な家庭を築いているかのようだった。ジョーは36歳となり、出会った頃のグレイシーとちょうど同い年、子どもたちも大きく成長していた。
事件を題材とする映画でグレイシー役を演じる女優エリザベス(ナタリー・ポートマン)は役作りのため、彼らの家庭へ取材で訪れる。
エリザベスの取材は、グレイシーのつかみどころがない「無邪気」さにぶつかる。グレイシーのなかの真意を追いかけるうちに、エリザベスは夫婦のほか子どもたちやグレイシーの前夫・その子どもたちまでかき乱し、いつしか取材の範疇を逸脱してゆく・・
《三者の葛藤が混濁》
世間からの強い風当たりに長年耐えてきた初老のグレイシー、結婚生活にもはや限界を感じているであろうジョー、グレイシーをなんとか解釈し役者としてものにしたいエリザベス。物語が進むにつれ、三者の葛藤がじわじわ伝わってきます。そしてジョー、エリザベスに限っては、各々複数の秘密を抱えていることも描かれていて、サスペンス感もあり。それぞれの世界が重奏のように展開され、三者ともこの映画の主人公であるかのよう・・
優れたリアリズム作品であることを感じさせます。
《ちょっとアブナいエリザベス(ナタリー・ポートマン)》
エリザベスはグレイシーのメイクや表情やポーズといったビジュアル面も研究します。
(ビジュアル面でないことにも踏み込んでいきますが・・)
その結果、いつのまにかグレイシーのコピーのような出で立ちになっていたりと、一瞬ぞっとするような姿を垣間見せます。
私は「彼女(エリザベス)は一体何をやっているの?」と突っ込みつつ「最終的にエリザベスはグレイシーを演じることができるのか?」が途中からものすごく気になりだしました。ラストまで、それはわかりません・・!
この「どうなっちゃうのかわからないエリザベス」を演じきったナタリー・ポートマンは不気味なほどで見応えがありました。
《あるスキャンダルの覚え書き(リチャード・エアー監督、2006年)》
メイ・ディセンバー事件を扱ったものとして、この作品もありますね。
ケイト・ブランシェットが主人公の女性教師役で、やはりとっても美しい・・!
こちらは生徒との恋愛の一部始終や、同僚の老女性教師(ジュディ・デンチ)とのからみなどをメインに描いています。本作と異なるポイントなどもあり、みくらべるのもオススメです。
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投稿を表示愛に年齢は関係ないとは言え…立場など考えると複雑な心境になってしまう内容ですね💦💦
気になります!!
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