インド、燃え盛る愛と友情の物語
2年ぐらい前からインドの映画にハマるようになる。
歌って踊るインド映画は昔から多くあり、インド特有の文化と信仰を背景に様々な作品がある。
今回紹介するのはそのインド映画の中でもここ数年で、インド映画をさらに世界に向けてその地位を押し上げたと言って良い“超”がつく壮大なアクションスペクタクル作品。
もちろん歌って踊って~がある。しかもインド映画は平均的に長い。3時間弱ぐらいは割とスタンダード。もともとそういう映画が苦手で、急にそれが入ってくる流れに戸惑う人も多くいるはず。
実際、私もその中の1人。最初はその独自の創造性にかなり振り回された、、、だが、しかし。
そもそも、話はめちゃくちゃ王道のストーリーラインが多く、裏切りや背徳行為で錯綜することが少なく実は結構わかりやすい。
これは文化や宗教が影響しているのかも知れないが、人を騙す、欺く、不義を働く、パートナーではない別の人物に手を出す、などはご法度なので、自動的にそれが“悪”となる。
それと同時に“善”はそのような行為や思想が起き得ないので、どんなに壮大な話でも構造はハッキリしている。
今回はアクションではないので紹介しないが『パッドマン 5億人の女性を救った男』、これはインドのドラマで男性がインドの衛生環境を嘆いて妻をサポートすることから始まった生理用品を広く普及していく実話に基づく話だが、こういった作品でもそれが反映されていて、男尊女卑などの文化的背景を描きつつも、その主人公がそのビジネス上で別の女性とかなり良い感じなるが、絶対に一線は超えない、そして最後は妻への愛がモノを言う。
これが、、、、インド。
ある意味、純粋で、一途。むしろ、そこを極めた“愛”の物語が多いので、アクション映画であっても、萌える。真の愛と友情に震える。
そう、何よりも“愛”と“友情”。作品それぞれの背景や世界観で壮大な物語を紡いでいくが、時代劇、権力への下剋上、神々の戦い、、、と色々途方もない話も多いが、根幹としては“人”であり“愛”であり“友情”の物語。
だからジャンル的な好き嫌いを超える、誰でも受け入れられるテーマが絶対的にブレずに存在している。
そして、この独特のテイスト、世界観。これについては残念ながら文字や口で説明しにくい。
歌や踊り云々は事象としては起こるが、この物語の進行や、重要人物の登場シーン、重大事実が判明する時の演出、そして“何か”が起きる時、起こっている時のカメラワークや特殊効果。
これはもう、観てもらうしかない。絶対に他の国の映画では観れないモノがある。最高にドラマチックで、最高にテンションMAX。
VFX、CGを駆使したSF超大作と言えばハリウッドを差し置いて他にないが、このインド映画も負けてはいない。むしろ部分的にはそれを凌駕さえしているとさえ思う。
ごちゃごちゃ書いたが、結論としては「いいから1回この世界に振り回されてみよ」。食わず嫌いしてないでとりあえずわーーっと観てみて溺れてみよ。そうすると、ものすごい境地が開眼する。一度開眼すれば、もうそこからは止まらない。
まだ開眼してない人。映画は好きだけど、まだここにタッチしてない人。間違いなく損してるから、1回だまされたと思って観てみて欲しい。
そんなこんなでこの後、作品紹介するが、詳細書かない。書けない。こればかりは文字でその興奮、伝えられない。
映画紹介コラムとしては失格過ぎるが、とにかく「インド映画観て欲しい」というここまでの熱意だけでも感じて欲しい。
※今回紹介してない作品の中にも素敵なインド映画はたくさんあり、意外とジャンルが多岐に亘っていて歌と踊りがないインド映画もあるので、ご連絡頂ければいくつかオススメしますので、是非一度ご賞味ください。
1.『バーフバリ 伝説誕生』(2015)
2.『バーフバリ 王の凱旋』(2017)
個人的にガッツリハマったのはココから。これ観て、インドがめちゃくちゃスゴいことに気付いて、あれやこれやと見漁ることになった。
長尺映画の2本立てという、昔の中世ヨーロッパの戯曲みたいな映画。
戦士“バーフバリ”の数奇で壮大で圧巻の下剋上を描く物語。彼の生い立ちの秘密、幼い頃の扱い、そしてそれら背負い、自分の宿命と戦い、“誕生”して“凱旋”する。
めちゃくちゃカッコ良くてドラマチック。
3.『RRR』(2022)
2023年の米国アカデミー賞で歌曲賞、ゴールデングローブ賞で主題歌賞の受賞まで登り詰めた作品。
とにかく作品全体の勢いと踊りのキレ。楽曲のキャッチーさもさることながら、重厚なドラマで描かれる2人の男の出会いと友情と、葛藤、使命。
前半の出会いの救出劇の橋のシーンや、後半からやってくる血が滾るようなアクションシーン。
もう観てるだけで卒倒しそうになる勢いに飲まれるべし。
4.『ブラフマーストラ』(2022)
つい最近公開された。公開規模が小さいからそんなに話題になってないが、個人的には前述の2作品と並ぶクオリティと壮大な物語。
インドの神話にちなんだ荘厳な“神々”のバックグラウンドを現代に持ってきて、『アベンジャーズ』のような現代風のヒーローアクション超大作に仕立てる。
ついにインドの映画がこの手の要素の映画を人だけではなく、VFXを駆使した“スタンド”や“武具”や“気功波”的な特殊効果でガッツリ世界観を作る。
ぶっちゃけ、『アベンジャーズ』顔負けの“神々”由来の“光”と“闇”の戦い。この手のネタが好きな人は、もう、観るっきゃない。
あと、アリーヤー・バットの美しさ、ひたむきさ、純粋さ、優しさ。彼女が一番“女神”。
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バーフバリ 伝説誕生のmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
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