ヒロインが生まれた理由
何かが生まれる時には、何かが失われる。
何かを得たら、何かを失う。
悲しいけれど…。
この作品も、そんな物語。
予告から、観ていきましょう。
そう、「リング0バースデイ」です。「リング」の前日譚になりますね。
作品情報から、見て参りましょう。
【作品情報】
製作:2000年
監督:鶴田法男
脚本:高橋洋
原作:鈴木光司
出演:仲間由紀恵、田辺誠一、田中好子、麻生久美子、奥貫薫、高畑淳子、角替和枝、伴大介、
雅子、若松武史
主題歌:L'Arc~en~Ciel『Finale』
音楽:尾形真一郎
配給:東宝
【あらすじ】
「リング」シリーズの完結編。第1作から時間を遡り、貞子誕生の秘密に迫る。
「リング」から30年前の出来事。
劇団・飛翔に美しくミステリアスな新人女優・山村貞子が入団してくる。
懸命に稽古に励む貞子だが、看板女優の葉月愛子から敵対視されてしまう。
愛子は、日に日に悪夢にうなされるようになり、劇団内では不可解な事件が起こる。
その怪異が貞子のせいだと噂になり、劇団内で孤立してしまう。
音響の遠山博だけが、貞子の味方となった。
一方、新聞記者の宮地彰子は貞子の母・志津子の超能力の公開実験で婚約者を亡くし、その復讐の為に、貞子の身辺を探る。貞子の身に迫った危機とは?!
【ついに明かされる貞子出生の秘密】
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これは、この作品のキャッチコピーです!
もうひとつのキャッチコピーは「リングは今世紀最悪の0で終わる」。
本当は、「リング」の記事の後は「らせん」と「リング2」について書こうと思っていたのですが…。
久しぶりに観直したら、「リング0バースデイ」が、自分の中でぶっちぎりの好きな映画だったので、こちらを先に書くことにした次第です。
公開当時、劇場で観たこの作品は時間が経っても忘れられない成分が一杯でした。
同時上映された「ISORA 多重人格少女」も、印象深いものでした。
【純粋なひとりの女性】
「リング」では、ビデオの中で井戸から這い出して来て…。
という姿だった貞子の”人間らしかった頃の姿”がこの作品では描かれています。
女優を目指して懸命に頑張る普通の女性として。恋をする18歳の女性として。
純粋でまっすぐなその姿は、人々を呪うような存在ではありませんでした。
彼女には悪意がなかったのに、様々な悪い巡り合わせのせいで、望まない結果を招いてしまった。
私はこの作品を、貞子のラブストーリーとして観ていました。
貞子の恋と、夢の物語として。
内気で不器用な貞子が頑張る姿に、心打たれました。
そして、違う世界(パラレルワールド的な所)では、貞子に幸せになって欲しいな。
と、そう思いました。
だから、この映画は怖いものではなく、私の中では切ない恋愛映画として心に残っています。
貞子と遠山さんにキュンとした映画です。