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matchypotter
2023/05/26 17:31

【ネタバレ】トラウマ!戦慄、ホラー映画の1シーン <後編>

 

トラウマ!戦慄、ホラー映画の1シーン 後編です。  前編 はコチラ 

 


Ⅴ.『THE 4TH KIND フォース・カインド』(2009)

 

◆ホラー効能:寝ること自体が怖くなる。ちょっとした電波の乱れやノイズが気になって仕方なくなる。

 

本作はホラーというよりサスペンス色が強い。が、ネタと撮り方が強烈過ぎる作品。
要するに“エイリアン・アブダクション”にまつわる話で、それが有名な地であるアラスカの都市ノームに暮らす女性心理学者が体験したという衝撃の体験を映像化
その証言の信憑性の低さから本人と本人に起きる現象をカメラで撮影した。その映像を再現しながら、という異色のサスペンス

 

まず、このミラ・ジョヴォヴィッチが演じる女性心理学者が不気味過ぎる。その本人が恐怖の対象ではないのに、彼女自体が発する異様な空気に飲まれる
そして、そういう不気味過ぎる話題と人物で少しずつ飲まれた最後の再現映像と実映像が、さらに“飛び抜け”てくる衝撃


こういう映画にありがちな映像の乱れ、ノイズ、が肝心なところで邪魔してくるパターンではあるが、これぐらい邪魔しておいてくれて逆に良かったです助かりました、と言いたくなるシーン。

幽霊や怪物の類ではないが、これも人類の理解を超越し、確実に何かの意思を持って、彼女が確実に何かに脅かされているその現場の生々しさが強烈な印象を残すシーン。

 

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THE 4TH KIND フォース・カインドのmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画

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Ⅵ.『エクソシスト』(1973)

 

◆ホラー効能:キリスト教の神父さんがただのおじさんに見えなくなる。遠くから聞こえる悲鳴や怒号に敏感になる。

 

ウィルアム・フリードキン監督。いわゆる“悪魔祓い”の元祖のような映画。
ここに出てくる“憑かれている者”の様子や佇まい言動、描写、何もかもが本当に“この世のモノ”とは思えないおぞましい雰囲気。本当に地獄から出てきた“何か”を目の当たりにしている感覚を体験できる。

そして、後半にベテラン神父とそのサポート役の神父が2人でその“この世ならざる存在”と対峙するシーン。その光景から放たれる圧倒的な空気。
特にアクション的な動きがあるわけではないが、とにかく伝わってくるそれぞれの波動、オーラ。本当にこの世からあの世を覗いてしまっているような理解の先にある力を感じる。

 

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エクソシストのmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画


Ⅶ.『ザ・フライ』(1986)

 

◆ホラー効能:ハエが怖くなる。ハエを殺せなくなる。個室に迷い込んできたちょっとしたハエが気になって仕方なくなる。

 

日本ホラー以外にもトラウマ的ホラーシーンはたくさんある。これはその最たるモノ
『ザ・フライ』テレポーテーション技術の開発に成功!かと思いきや、そのテレポーテーションンの最中にその機器に“ハエ”が迷い込む
Aの容器からBの容器に転送される際、その“ハエ”と一緒に転送されてしまったことで遺伝子が・・・


クローネンバーグ監督、もうエグ過ぎる。そもそもの“期せずハエと同化”というプロットがおぞまし過ぎる。
その“ハエと同化男”ジェフ・ゴールドブラムが演じるが、どこか科学的というか、マッドサイエンティスト気質というか。
その出来事に戸惑い、驚愕しつつも、何か新たな発見、進化とでも言いたげな恍惚としたキャラクターが印象的。そして、“それ”が起きる衝撃のラスト

それまでの過程でジェフ・ゴールドブラムの体はどんどん見た目も機能も“ハエ”化していくが、それらが可愛いと思えるそのラスト。パートナーに迫りながら・・・・・・ついに“完全体”に。

 

もう、これは文字通り“トラウマ”になること必須まだご覧になってない人、ホラー好きには絶対おすすめだし、ホラーが苦手な人は一生観ずに済ませた方が良い
1986年の映画だからまだまだCG技術が発展途上な時代だが、その発展途上感が逆に生々しくてそれである意味“完成”している衝撃のラスト。
確か、この最期の衝撃シーンの後にすぐにエンドロールだった気がするので、最高に“後味悪い”作品

 

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ザ・フライのmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画


Ⅷ.『シャイニング』(1980)


◆ホラー効能:見知らぬホテルに宿泊することにためらいが生じるようになる。

 

子供の頃に父親と一緒に観た気がするが、今思えば、うちの父親は幼少期の私に何観せてんだ!?という作品。
 

スタンリー・キューブリック監督ジャック・ニコルソン主演
当時のジャック・ニコルソンの印象と言えば“ジョーカー”これか、だったので、個人的には彼はもう“狂気の沙汰の人”という印象しかなかった。

 

冬の間は閉鎖されるホテル管理人として戻ってきたジャック・ニコルソン。このホテルは管理人が家族を惨殺するという凄惨な過去を持つ。
その管理人となった彼が、徐々にその過去に囚われ始めおかしなことになっていく・・・。

 

もう「ホラーと言えば」のシーンのオンパレード。本作を知らなくても、ホラーに興味がなくても、どこかで観たことあるシーンに溢れている。それほど観る人を戦慄に貶めた作品。
 

あの血しぶきというか、もはや血の波のシーン。風呂の浴槽にいる“あれ”。そして、狂気に魅入られて斧を振り回して壊したドアの隙間から除くジャックの顔、、、。

これを幼少期に観て自分の精神がおかしくならなかったな、と褒めたくなる作品。

 

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ホラー、好きではないのに、過去に観た中からササッと思い出した分だけ書くだけでこれだけある。
それだけ「1回観たら刻まれる印象とインパクトが絶大」なのがホラー映画。観た後に観たことを後悔して、観たことを忘れたいのに忘れられないのがホラー。


そういう意味では、ホラーは凄惨な描写とか、強烈なキャラクターよりもその“忘れられない”ということ自体がこのジャンルの圧倒的な効能なのだと思われる。

 

ちなみに、ホラー映画の大鉄則は「登場人物がサッと振り向く時は“いない”、ゆっくり振り向く時は“いる”」。これで身構えるべし。

 

昔、悪夢を見たら「南天の木にその内容を話すと浄化されて忘れられる」みたいな迷信を聞いたことがあるが、皆さんも見たら誰かに伝えて分散した方が良い。だけど、相手を間違えると一瞬で嫌われるので注意が必要だ。

 


<完>

 

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