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私の好きな映画

昭和・平成シネマ画報 「淀川長治」「小森和子」

淀川長治(1909-1998)

イラスト 志賀コージ

かつて民放TV各局では、『〇〇洋画劇場』や『〇〇ロードショー』といった映画番組が花盛りでした。毎日どこかの局で、洋画を中心とした往年の名作や話題作が放映されていました。その中でも老舗中の老舗と言えるのが『日曜洋画劇場』(NET/現テレビ朝日)で、番組解説者は″サヨナラおじさん″こと淀川長治さんでした。独特の節回しの関西弁に親しみと微笑みと重厚さを込めたその語り口で、毎週作品の魅力を熱く熱く伝えてくれました。そして、私たちは映画の虜となっていきました。淀川さんに映画の楽しさを教えられ、淀川さんが私たちを映画館へと導いたのです。

 

 

小森和子(1909-2005)

イラスト 志賀コージ

″おばちゃま″の愛称で知られた映画評論家・小森和子さん。おばちゃまは、80年代の華やかなりし六本木で、映画ファンが集う『ココ』というムービーサロンをオープンします。私などもそこでお茶をしながら友人と映画談義に花を咲かせていると、おばちゃまはヒョコヒョコと私たちの席を訪れて気さくに話しかけながら、新作映画のチケットをくれました。その後も何度かお会いする機会があり、楽しい映画の話を聞かせてくれたものです。時にアラン・ドロンの話、もちろんジェームズ・ディーンも。昭和の時代には、硬軟さまざまな映画評論家が活躍していましたが、とりわけファン目線で、どこまでもミーハーな気持ちで映画を楽しむ心を大切にした人でしたね。

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