皆さんはどの思い出を再体験しますか?
ご無沙汰しております、かこです!
さっそく今月のお題
【秋に観たい映画】を紹介させて頂きます。
『ベル・エポックでもう一度』
監督/ニコラ・ブドス
上映時間/115分・フランス映画
キャスト/ダニエル・オートゥイユ
ギョーム・カネ
ドリア・ティリエ
ファニー・アルダン
ーあらすじー
すっかりデジタル化の波に取り残されたかつての売れっ子イラストレーター、ヴィクトル。仕事を失い、妻のマリアンヌにも見放される冴えない日々を送っていた。そんなある日、息子から元気を出してほしいと“タイムトラベルサービス”をプレゼントされる。それは、大規模な映画のセットを使って客の戻りたい過去を再現する体験型のエンタテインメント・サービスだった。ヴィクトルは監督を務めるアントワーヌに希望を聞かれ、運命の女性と出会った1974年のリヨンをリクエスト。こうして、アントワーヌの恋人マルゴ演じる“運命の女性”を相手に、忘れられない思い出の日々を再体験するヴィクトルだった。allcinemaより引用
【目次】
1.過去を体験させてくれる
2.過去を再体験し、心を今へ繋げる
3.筆者が感じた芸術の秋ポイント
4.まとめ
1.過去を体験させてくれる
単純な過去への移動ではなく、映画セットでの再現という形で過去を再体験できるという設定が本作の面白いところ。
それを提供するのが「時の旅人社」
体験するのが主人公のヴィクトルだ。
「時の旅人社」が提供する、客の記憶すべてを再現できるというオーダーメイドのサービスは、日付や場所はもちろん、当時の会話まで再現してくれるほど、その手厚さが際立っている。
あたかも映画のセットの中で、過去を生き返らせるような体験が主人公のみならず、私たち観る者まで引き込んでいく。
映画の中の芝居なので入れ子式だが、「トゥルーマンショー」や「ゲーム」のように、主人公だけが真実を知らないという欺瞞的(ぎまんてき)な構造ではないため、透明性があり安心して鑑賞できる。
そして客が過去を再体験しているその裏側では、現場スタッフたちが万全の体制で対応にあたっている。まるで生放送さながらに、あらゆる事態に迅速に対応できるよう、彼らがスタンバイしているところも面白い。
2.過去を再体験し、心を今へ繋げる
サービスを受けた客が何を得て、どのように変化するのかが本作の核心部分でもある。
もちろんそれはヴィクトルにも起こる。
ヴィクトル心の変化は、妻との出会いの記憶を辿ったことだけが要因ではない。妻役の俳優との交流によって彼は心を開き、新たな自分へと生まれ変わっていく。
これはヴィクトルを見放した妻のマリアンヌにも影響を与えた。彼女自身も夫の変化に呼応するように、ヴィクトルとの関係を見つめ直し、再び共に歩みだす決意を固めていく。
やはり人は、他者との関わりの中で自らの存在意義や生き方を問い直し成長していくのだと実感できる。
本作はそんな普遍的な人間の姿を、美しく、切なく、滑稽に描き出している。
3筆者が感じた芸術の秋ポイント
1974年のバーを再現したセット、衣装、演出は、どこか懐かしさと新しさが共存する洗練された空間を作り上げている。
特に、ヴィクトルが描くイラストは、黒一色でシンプルながらも感情だけは色で表現しており現代アートのような魅力を放っている。
4.まとめ
実は執筆した以外にもヴィクトルの大胆な様子が描かれている。これをフランスらしいというのだろうか、夫婦揃ってヤンチャだ。
過去にとどまりたいために、さまざまな行動に出てしまう姿は、どこか人間臭く心を捕まれてしまう。そんな彼の姿に、私たちはどこか自分自身を重ね合わせ、温かい感情を抱くのではないだろうか。
誰しも心に残る思い出がある。
そして、その瞬間をもう一度味わいたいと願うこともある。秋の夜長に本作を鑑賞しながら、心の奥底に眠る記憶を呼び覚ましてみるのも悪くはない。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
※本作品はツタヤディスカスではレンタル不可能です。U-NEXT、Amazon prime video、
DMM TV、Rakuten TVでレンタル可能です。
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投稿を表示映画のセットなどでタイムトラベルとは✨面白いですね・・!
やっぱり心あたたまる作品はいいなぁって思います😊
(確かに💦「トゥルーマンショウ」は主人公がかわいそうな面もあって心がザワザワしました)
ヴィクトルさんが描くイラストというのも興味深いです!
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