秋を感じるグザヴィエ・ドラン3作品
今月のお題:秋映画ということで、カナダのグザヴィエ・ドラン監督による
「マイ・マザー(2009年)」
「トム・アット・ザファーム(2013年)」
「マティアス&マキシム(2019年)」
をとりあげてみます。
監督、脚本、製作、編集、衣裳・・・とマルチに務めながら役者までこなすグザヴィエ・ドランは、まさに才能の塊みたいなお方です✨
監督作のうち、彼自身が役者として登場しない作品もありますが、ご紹介する3作品には、どれも役者・グザドラ✨が登場します。見目も麗しい✨ そしていずれも紅葉した木々、田畑の景色など、カナダの秋の風景が印象的な作品です🍂
彼女の息子にだけはなれない
「マイ・マザー」
グザヴィエ・ドラン、初の長編監督作品で、自身によるイキイキして面白い脚本が魅力的。グザヴィエが主人公の高校生ユベールを演じています。
母子家庭で育ったユベールは、母(アンヌ・ドルヴァル)への耐えがたい思いに苛まれる毎日。昔は仲が良かったものの、ファッションセンスや部屋のインテリア、食事の仕方、小言ばかりのやかましい口元―今やすべてが嫌悪すべきものです。欠点だらけの母親は愛情の過多・不足の矛盾で息子を振り回し、息子はいかにもティーンエイジャーらしい過剰反応で応戦🔥 「本気のケンカ?」と見まごうような怒鳴り合い、親子のやりとりは必見・・! 若干19歳の手による驚くべき脚本です。
母との確執はつのり、ある日ユベールは「母は死にました」と担任の教師に嘘をつきます。これはフランソワ・トリュフォーの「大人は判ってくれない」へのオマージュらしき一コマ。また、ユベールがディカプリオにファンレターを書いたことがあったというエピソードを盛り込んでいたり、部屋にリバー・フェニックスのポスターを貼っていたり・・あるいは日記のように自撮りの独白を映像に撮りためている様子など、主人公はグザヴィエ・ドラン本人を投影したキャラであることもうかがえ、興味深いです。
終盤、枯れ葉がまぶしい秋の木立で、ユベールが真っ白なウェディングドレス姿の母親を追いかけるシーンがあります。追いかけても逃れゆく母。このシーンはユベールの幻想であり、彼は未来ある若者に変わりないのですが「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる・・」の句が浮かぶような、はかなげな映像美が見事です。
10月のトウモロコシ畑はまるでナイフ
「トム・アット・ザ・ファーム」
本作のグザヴィエはやや伸びたブロンドのウェービーヘアで主人公トムを演じています。他作品とはだいぶイメージが違っていて新鮮✨
現代カナダを代表する劇作家ミシェル・マルク・ブシャールによる同名戯曲の映画化で、サスペンスタッチな演出も他作品と異なる雰囲気です。
亡くなった恋人ギョームの葬儀に出席するため、彼の実家が営む田舎の農場を訪れるトム。そこで出会ったギョームの兄・フランシス(ピエール=イヴ・カルディナル)はなかりの暴君で、次第にトムはその暴力と不寛容に服していきます。
トウモロコシ畑でフランシスに追われたトムが、枯れかかった葉に切りつけられ、さらにフランシスに組み伏せられ・・・若干流血もするシーンは恐怖もつのるところですが、どうしてだかポエティックな映像です✨「10月のトウモロコシ畑はまるでナイフだ」やはりポエティックな台詞とあいまって、耽美な趣なのです✨
葬儀が終わり、トムはモントリオールへ帰るはずが、なぜか農場に幽閉されるかのような展開に。早く逃げ出したい焦燥感とうらはらに、トムはフランシスとタンゴを踊ります。グザヴィエのレアなダンスシーンもみどころです。
トムははたして、農場から脱出できるのでしょうか・・?!
恋愛感情ではくくれない思い
「マティアス&マキシム」
先にご紹介した2作品と本作、いずれの作品にもクィアなセクシャリティに対する葛藤が多かれ少なかれ描かれています。
本作は、幼なじみながら家庭環境が対極にあるマティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)のラブストーリーです。
比較的裕福な家庭に育ったマティアスは、美しい婚約者、一流企業の職などを得て文句の付けようがない人生。それに対しマキシムは毒母を世話する困窮の日々。
いつものように仲間と集まるべく、秋の山荘へ向かう冒頭、車は美しい紅葉をかき分けるように走ります。まるで新しい扉を開くかのような、予感に満ちた映像です。その夜、ふたりはふとした出来事をきっかけに、お互いへの特別な感情を意識し始めます。
彼らは旧知の仲。相手と対峙する際に、貧富の差や外見などうわべの事柄が立ちふさがることはありません。お互いの間に存在するものは確かに愛なのですが、きっと「恋愛感情」というだけのものでもなく・・
言葉にできない思いは、映画という手段で表現するにふさわしい✨とも感じます。
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投稿を表示ドラン作品はtakaeお姉様も大好きな作品ですね✨僕も最初『Mammy』を観たさにBlu-ray買っちゃいました!まだ観れていない『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』これも観ないと💦
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投稿を表示グザヴィエ・ドランは役者としても、監督としても才能のある人ですね。
実は私大好きなんです。彼の作品はたぶん全部見ていると思います。
彼が描く世界は愛に溢れていて、愛は男女の愛だけではないことを改めて感じます。
特に「マティアス&マキシム」はとても好きな作品です。
この3作品を取り上げるとは、Black Cherry さん、お目が高いです!(^_^)
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投稿を表示ドラン作品は マミーとジョンFドノヴァンしか観てませんが、両方ともとても素晴らしかった😊あげている三作品観てないのでチェックします。
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投稿を表示どれも大好きな作品で、ドランも大好きです❤️🔥彼の作品は秋を感じますね😄
ドラン、監督業 引退かと思いきや、すぐに復帰してくれて嬉しいっ😍
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