ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 気持ち良さの理由!
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」家族で観に行って、大人も子どもも等しく大満足でした。楽しかった!
これほどまでにみんなが好きになる理由、思うのは、この映画が最高に「気持ちいい映画」である、ということじゃないでしょうか。
まるで、「ゲームのマリオを自分でプレイしているみたい」な気持ち良さ。
映画館には別にコントローラーはついてないし、自分で操作しているはずもないんだけど。
映画なので、もちろん劇中の何もかもがゲームの通りに動くわけではない。
でも、マリオの動きのタイミングやリズムが、ゲームをプレイしている時の呼吸と同じ!なんですよね。
マリオの走るスピードであったり。
ジャンプのタイミングや、ジャンプが届く距離感だったり。
ブロックを踏んだり、壊したり、跳ね返ったりするその手ごたえの感触だったり。
そういう基本的な動きの細かい部分が、ゲームをプレイしている時の感覚に、すごく一致している。
だから、すごく気持ちいい。「押せば響く」快感があるのです。
映画だからといって急に強くなるような、ズルをしてないのもいいですね。
劇中で描かれるアクションは、多少の誇張はあるにせよ、基本的にゲームに出てきたものばかり。
アイテムの効果も、ダメージを受ければ効果が消えるのも、すべてゲームの通り。
「練習しないとクリアできない」というのもね。何回も死んで悔しがって練習することで、越えられなかったステージが越えていけるようになる気持ちよさまでも再現されています。
例えばマリオが走っていって、前にブロックがあって、踏み切ってジャンプするタイミング。
ジャンプして届く距離感。ギリギリ届いて足場を踏む感じ。着地してまた走り出す呼吸。その時に鳴る効果音や、特定のアイテムを取った時のBGM。
それがもう、映画の全編に渡って、気持ち良さが続いていく。
「ゲームのルール」を、ほとんどの人が理解してるのも強い。シンプルなゲームですからね。
ゲームをやり込んでいる子供たちほど、次にどうなるかが分かる。
で、「こうなるぞ」と思った通りになる。「こう来るぞ……ほらそう来たー!」っていう。これは特に、子供たちにとってはめっちゃ快感だと思います。
もちろん映画だからゲームそのままではなくて、アレンジされてるところは多々あります。
でもアレンジは最小限で、「映画だけのド派手な展開」みたいなことを過剰にやっていないので、マリオのリズムの気持ちよさは最後まで持続していくのです。
そういう「ゲームの気持ちよさ」で、みんなを思いっきり楽しくさせた上で。
最後、気がつけば「イタリア系移民の配管工の、その中でも落ちこぼれ扱いされている兄弟が、ブルックリンでみんなのヒーローになる」という極めて映画的なテーマも伝わってくるんですよ。
だからこれ、ゲームはやるけど映画はあまり観たことない…という子供たちにこそ、見てほしい。
ゲームから映画への、格好の入り口になる映画なんじゃないかと思います。